これは東京映画でのちに映画化され、ホーム・コメディとしては原始的存在。谷口さんは、名古屋出身で、名古屋のCK（NHK名古屋中央放送局）と東京とを行ったり来たりして、現在は東京に落ちついたが、これも古い友人。『やがて青空』については、おもしろい話がある。出演者は内田研吉（病死）、水の也清美、黒柳徹子、南条秋子の諸君。むすこ役で最初予定したのが無名だったころの仲代達矢さん。これが病気だというので中台祥治さんに代わった。ところが中台さんがまた病気。そこで抜てきしたのが『事件記者』のご存じイナちゃんこと滝田裕介さん。（中台さんの方は病気がなおってあとで別の役で出演した）その滝田さんの恋人役公卿圭子さん。最近、北原武夫さんと結婚した人である。谷口さんの演出助手が村山貞也さん、山田克巳さん、中山三雄さん。谷口さんはのちに『花の生涯』を企画してくれた恩人の一人だ。【以上、文：北條誠（読売新聞1966/02/21付「放送交遊録　第43回」より引用）】放送時間は、第４回のみ月曜21:15～21:45。各回のサブタイトルは以下のとおり。第３回「春のめざめ」（1955/05/16放送）、第４回「晴雨計」（1955/05/23放送）、第５回「西と東」（1955/05/30放送）、第６回「よりどりみどり」（1955/06/06放送）、第７回「涙雨」（1955/06/13放送）、第８回「静かな川」（1955/06/20放送）、第９回「鬼のいぬ間」（1955/06/27放送）、第10回「聞くも語るも」（1955/07/04放送）、第11回「狹い世の中」（1955/07/11放送）、第12回「憎い憎いは」（1955/07/18放送）、第13回「やがて蒼空」（1955/07/25放送）。【役名（演技者）】飛田眞平（内田研吉）、飛田こと（水乃也清美）、飛田いづみ（南條秋子）、飛田いづみの弟・喬夫（滝田裕介）、須藤かほる（公卿圭子）、三島（中村たつ）、福田（篠田節夫）、山田ひさ子（黒柳節子）、野沢（太宰久雄）、喬夫（中台正）、おばあちゃんやす（小峯千代子）、岩谷鉄夫（橋爪秀雄）、岩谷の叔父さん（春風亭柳橋）、父・久助（藤山竜一）、学生・大谷（八橋卓）、石黒敬七（石黒敬七）、青木先生（靑木一雄）、母・きん（織賀邦江）、秋田編集長（川久保潔）、水谷編集部員（大塚博）、石井編集部員（武田国久）、横寺編集部員（本多文子）、大熊コーチ（黒沢良）、片倉（纓片達雄）、浜野（阿部希郎）、寺田（三田松五郎）、黒岩（名古屋章）、女優一瀬みどり（東喜美子）。【参考文献：NHKクロニクル（2018/07/06参照、http://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/）】