香水研究所の調香師でもある知的で美しい人妻が「悪の華」の香りにおぼれるまでを描く。【以上、書籍「テレビドラマ全史」（東京ニュース通信社刊）より引用】「十朱幸代が化粧品会社の調香師という役を演じる。調香師は、香水などの香りを造り出す仕事。芸術的なセンスが要求される特殊な技能といってよい。そういう繊細な感覚が映像で十分、表現できるかどうかが、ドラマの厚みを増すことにつながるだろう。研究所の若い調香師、小出彰吾（田中健）が海外出張から帰ってくる。彼の留守中、若林彩子（十朱）という調香師が研究所に入所していた。夫の研三（平幹二朗）は貿易会社の社長で海外出張が多く、鎌倉の豪邸で姑の文栄（沢村貞子）と二人で過ごすことが多い。研究所長（鈴木瑞穂）の娘、美佐子（小林麻美）も研究所に勤めており、彰吾に好意を寄せている。所長は二人を結婚させようと考えていた。二人は鎌倉でデートするが、そこで偶然、彩子と会い、家に招かれる。連続ドラマのスタートは、登場人物の紹介に終わることが多いが、それぞれの家庭を描写することで次回以降に期待をつながせる。初回には出演していない野際陽子が登場するあたりから面白くなりそうだ。【この項、毎日新聞1982/06/09付「視聴室」より引用（署名：孝）】」【役名（演技者）】若林彩子（十朱幸代）、若林研三（平幹二朗）、小出彰吾（田中健）、美佐子（小林麻美）、若林文栄（沢村貞子）、研究所長（鈴木瑞穂）、デザイナー・紀代（野際陽子）、彩子の父（山村聰）、内山（寺泉哲章）、良夫（阪本良介）。【参考資料：webサイト「脚本データベース」（2022/03/10参照、http://db.nkac.or.jp/top.htm）、新聞「毎日新聞」テレビ欄】