警察に突き出されても少年シンジは、決して口を開こうとしなかった。何故なのか。殺されそうになったと、13歳の我が子を突き出したのは実の母。現代なら珍しくもない、実の我が子を虐待する母と子を描いた問題作で、事実を解き明かし問題を提起する先生を演ずる岩崎徹さん、実の子を虐待する母の凄みを演じたＮＨＫ劇団からの客演、矢野政子さん、最後に「お母さん」と叫んで、母の胸へ飛び込んだ児童劇団の世良秀隆君の演技が感動を呼びました。【以上、書籍「新井俊一郎オーラル・ヒストリー　ヒロシマで被爆全滅を免れた中学校１年生だった私は当日入市被爆者です」（2022年３月30日発行、著者：新井俊一郎、広島大学文書館・75年史編纂室発行）より引用】