一人で生きて行くための女の知恵を早いテンポで描く。水木好子は長い間妻子ある男の世話になって暮らしてきた。何もしない退屈な毎日であった。しかし三十の声をきくと行く末のことが思いやられ、彼女は彼女なりの生きて行く道を捜さねば……と、天童特許事務所でBGとして働くことにした。所長の天童宗吉は建築界の革命的な新建材の入札形式の決定を前にして連日記者会見や建築会社の問い合わせなどで忙しい毎日であった。好子は天童が発明者である親友の小島老人と正式の契約書を取り交わしてないのを知るや、老人の40年前の恋人さきを捜し出し、再会させ、喜んだ小島老に彼女を相手とした契約書に判を押させた。【以上、毎日新聞1964/09/01付より引用】【役名（演技者）】水木好子（瑳峨三智子）、天童宗吉（天王寺虎之助）、川津逸夫（入川保則）、小島充（小笠原章二郎）。