私立大学教授、当年とって46歳。さしたる理由もなくきょうまで独身。生徒たちは彼をキリストと呼び、自分も退屈な幸福に満足している。そんな彼の生活が一変する日がやって来た。魔女がひとり彼のもとに現われたからだ。魔女の否定された現代はあまりにも殺伐としてロマンの影さえ失われている。そうした現代にあってなおロマンの影を追い求める人はやがてはほろび去らねばならない。漫画家・やなせたかしが、魔女に託して現代文明に痛烈な風刺を加えるオリジナル・カラー・ドラマ。なお「愛の劇場」がカラー放送されるのはこれがはじめて。【以上、読売新聞1962/06/04付より引用】