ある朝、ジョギング中の山下春江（あき竹城）が、諏訪湖に浮かぶ女性の遺体を発見した。犠牲者は板倉千代(原知佐子）70歳。近くには本人のものと思われる巾着袋が落ちていた。現場に駈けつけた湯原（小堺一機）と吉岡（関口知宏）は、春江から死亡推定時刻は昨日の夕方5時から7時の間で、死因は頭蓋骨損傷によるものと聞かされた。「落とした巾着を拾おうとして足を滑らせたのか…？」。まずは事故との予測をたててみる湯原。とその時、「他で殺されて諏訪湖に捨てられた可能性が大きいですね」と湯原の考えをさえぎる強い口調の女性の声が割り込んできた。声の主は湯原の元部下だった桐島絵里香（櫻井淳子）だった。絵里香は、本日付けで湯原のいる上諏訪署に警部補として着任したことを告げると、早速他殺の線で捜査を開始、被害者の息子でオルゴール技師の板倉茂男（柳沢慎吾）とその妻でホテルの従業員をする辰子（あめくみちこ）の聞き込みをするよう吉岡に命じた。捜査を始めた湯原たちは、茂男の証言で千代が肌身離さず持っていたタイマー付きのオルゴールのペンダントが紛失していることをつかむ。だが他に金品が奪われた形跡がないことから事件は怨恨の線で捜査がすすめられることになった。そしてこの時、絵里香は殺された千代が立派な邸宅と多くの株券を所有していたこと、さらに隣家の主婦から聞いた、実は茂男は千代の実子ではなく愛人の子で、嫁姑の仲が悪かったとの話から息子夫婦を容疑者としてマークし始めたのだった。　一方、湯原は絵里香とは別の線で、事件との関連を探っていた。千代の金庫から見つかった先物取引のパンフレットの会社を訪ねてみたのだ。だが従業員の宮下ふじ子（小山田みずき）は千代との取引きはなかったという。しかしこの時湯原は、社長の向井（中根徹）にくってかかる男性、荒木（梅津栄）に遭遇。その後、荒木と知り合いになった湯浅は、向井に持ちかけられたガソリン相場に手を出して数百万の損害をこうむり、それを聞いた娘の学校の先生だった板倉千代が、金を取り戻してあげると約束していたのだという約束があったことを聞き出した。先物取引会社の社長・向井と千代との浅からぬ因縁をつかんだ湯浅。その後、湯浅は茂男の職場仲間に聞いた、“茂男を訪ねてきた女”の存在も調べることにした。事件当日の茂男、辰子夫婦のアリバイにはおかしな30分の空白もある、こうして犯行は一気に息子夫婦説に傾いていく。そんな中、さらに辰子にも男の影が浮かび上がってきた。吉国昭弘（河西健司）。トラック運転手をしており二人の子供がいる。しかし妻は十年前に殺されており、その犯行現場を目撃し、逃亡する犯人を見たと証言したのが、当時定食屋の店員をしていた辰子だったという。吉国は、その時の礼を1年に一度、欠かさずしているだけだといい辰子との男女関係を否定するのだった。事件の裏に複雑な人間関係を感じ取った湯原は、さらに捜査を続行する。その数日後、先物取引会社従業員のふじ子が遺体で発見された…。【以上、フジテレビ広報資料より引用】