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ドラマ 詳細データのぞみ

このドラマは輝かしい前途があるとはいえない若い銀行員小川健吉夫婦を中心に、勤め人の世界の苦悩や、焦燥感を描きながら男ののぞみ、女ののぞみの違いを対照的に描く。【以上、朝日新聞1960/07/01付より引用】「小川健吉は、銀行の行員だが、学歴がないため将来もせいぜいが係長どまり、これといった出世は望めそうにない。細君のマリ子はパンチャーで共かせぎ、夫とは別の職場で働いている。係長といえば、三十八、九年ものあいだ銀行につとめた係長の森が、ちょうど定年退職の日、それをみつめる行員の眼はなにかしらわびしかった。つとめなんて、人生なんて、結局はビールの泡みたいなものだと、森はさびしく述懐する。こうなると、ひとごとではない。健吉はなんとかしなければという焦りに似たものを感じる。その夜、健吉は同僚の田村に誘われて酒を飲んだ。二軒、三軒とハシゴをするうち、田村は、いきなり銀行をやめてビルマの発電公社へゆくといい出す。そして、健吉にも是非と誘った。しかし、独身の田村はともかく、健吉には女房がある。迷った末に、やっと新しい人生に踏み切る気持ちになって帰宅、ビルマ行きをいい出そうとすると、マリ子はマリ子で相談ごとがあるという。それはほかでもない、赤ちゃん誕生の話だった。結婚して8年。男と女、それぞれののぞみを対比的に描いて、最後にはそこから生まれる共通の安定をみいだそうとする作意は、平凡なようでいて、結構普遍性を持っている。えらくなってほしいなんて、ちっとも思わない、赤ちゃんとさえいてくれたら、このままでしあわせよと、生まれてくる子供への期待に胸はずませる妻。野心的で、パーッと明るい人生のキッカケをつかみたい、そんな気持ちも酔っ払って見た途方もない夢さと、むなしくのぞみを捨て去る夫。家庭の茶の間で、テレビをみている一般の視聴者も、その点、おそらくは共銘に似たものを覚えたにちがいない。ドラマとしては、前半、ややまだるっこしいのが欠点だが、一杯飲み屋からバー、さらにキャバレーと若い二人の男がハシゴ歩きをするあたり、勤め人のやりきれなさといったものがよく表現されている。久米明も実感をただよわせて好演。山岡久乃は、その点、演技的にもう一息だ。演出は奇をてらわず、作とともに正攻法を遵守。どこにでもころがっていそうなサラリーマン人生というものを手堅く浮き彫りしている。【この項、文:大木豊氏(「テレビドラマ」(現代芸術協会刊)1960/8-9月合併号より引用】」【役名(演技者)】小川健吉(久米明)、小川マリ子(山岡久乃)、田村(大河内稔)、青野(松村彦次郎)、森(御橋公)、監督(氏家慎子)、勧誘員(中尾富美)、若い行員(島宇志夫)、頭取(瑳峨善兵)、秘書(森塚敏)、事務員(坂本長利)、若妻(藤原洋子)。【参考文献:NHKクロニクル(2017/12/23参照、http://www.nhk.or.jp/archives/chronicle/)】
キー局 NHK GTV 放送曜日 放送期間 1960/07/01~1960/07/01
放送時間 21:00-22:00 放送回数 1 回 連続/単発 単発
番組名 テレビ劇場
主な出演 久米  明大河内 稔山岡 久乃松村彦次郎御橋  公氏家 慎子中尾 富美島 宇志夫嵯峨 善兵瑳峨 善兵)、小川 峰子伊藤 牧子森塚  敏坂本 長利藤原 洋子アンサンブル・ファンタジア
主な脚本 (作:江上 照彦
主な演出 梅本 重信、(演出助手:丹羽 一雄大原  誠
局系列 NHK
制作会社 NHK
音楽 斎藤 高順、(効果:江口 高男
撮影技術 (TD:小林 長雄)(照明:恩田 和治
美術 (装置:芝田 圭一

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