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ドラマ 詳細データ風林火山

戦国武将武田信玄の軍師であった山本勘助が主君を助け活躍する時代劇。ドラマ演出で活躍する河野宏がNHKからNETに移って間もない初期の作品。「彼はあらゆるジャンルの番組の演出をして、結局ドラマディレクターに落ち着いた。そこで、「ドラマの分野でいま振り返ってみると、何がいちばん心に残る仕事でしたか」と聞くと、河野は「テレビ時代劇の演出に挑戦してきたことでしょう」とずばり言い切った。なぜ河野は、テレビ時代劇の演出に自分の活路を見いだしたかというと、NHKの演出助手時代に、演出家として活躍していた畑中庸生が師事していた映画監督の木下恵介を訪ね、「新しいテレビ時代劇をやりたいのだが、どうしたらいいだろうか」と相談にのってもらったことが、きっかけだったという。木下監督は当時助手として手伝っていた吉田喜重を紹介してくれ、一緒にやってみたらと言い、松竹の木下組の助監督・吉田が脚本を書くことになった。河野と吉田の二人はそこで話し合い、『風林火山』を取り上げることにした。吉田喜重は同シリーズの13本の脚本を一人で書く仕事を引き受け、この時代劇をテレビドラマらしくスタジオ番組として制作しようと言った。具体的に書くと、時代劇ではあるがドラマ作りとしては室内劇のスタイルにして、さらに人間の心理劇にしてみようという結論になった。そして、戦場における人間の心理劇、合戦場における人間の心理劇を作ってみようと決めた。吉田喜重は本名で書くのは会社に対してまずいので、木田重吉というペンネームを使って脚本を書き出した。実は、河野はNHK時代から演出してみたかった題材があり、一度『風林火山』のドラマ化をNHKに提案したことがあったが、テレビドラマではスペクタクルなシーンの撮影ができないだろうと却下された経験があり、なんとかテレビで劇化できないものかと早くからさまざまな構想を練っていた。そんな彼に吉田喜重という脚本の書き手が加わったので、たちまち新しい演出法が次々に生まれたのだ。まず、小さなスタジオでセットを組むと、俳優もテレビカメラも自由に動けなくなってしまうので、スタジオのホリゾントを有効に生かすことにした。すなわち、ホリゾントを黒幕にして、その前に小さな小道具や灯りを置くことにした。そうすれば、写さないことで、視聴者にどんな部屋なのかを想像してもらえるからである。このセット代わりの黒幕活用法はしばしば使われるようになり、ついに「黒幕の河野」と言われるようになった。政界の黒幕という意味の「黒幕」とはまったく別の意味なのだが、黒幕という言葉がイメージするものは、あまり好印象を与えず、河野は「黒幕の河野」と呼ばないでくれと言って回ったそうだ。では、なぜ「黒幕」を多用したかというと、光と影の照明の効果をフルに生かそうとしたからだという。当時のテレビは白黒だったので、白と黒のコントラストをはっきり出し、その光る部分と影の部分との対比を明確にする必要に迫られたのだ。そこで当時のライトマンの栗原進に、照明の当て方について色色な注文を出し、独特のモノクロームの画面ならではの特徴ある白と黒との水墨画のような印象を与える画面構成にした。テレビ画像はどうしてもフラットな厚みのない平面画像になるので、立体感を得られるような照明を要求した。河野は工夫してもうまく映像にならないときには、「太陽は一つしかない。一つの太陽がどこにあるかをよく考えてみてくれ!」と力説した。すると不思議に光と影が画面の中に現れてきたという。「こうして時代劇に興味を持ち出したのは、『風林火山』が好評だったからであり、単発時代劇を一年間演出したことは、時代劇演出のテクニックを身につけるうえで非常に役に立った」という。【この項、志賀信夫著「映像の先駆者125人の肖像」(2003/03/30発行、日本放送出版協会刊)より引用】」「本作は63年2月20日から5月8日まで、NETで毎週水曜、13時からの30分枠で再放送されました。ラテ欄で確認しました。【この項、文:高校教師】」【異説】先の志賀信夫著「映像の先駆者125人の肖像」では放送回数4回と記載されているが誤り。提供:敷島紡績。【参考文献:志賀信夫著「映像の先駆者125人の肖像」(2003/03/30発行、日本放送出版協会刊)】
キー局 NET 放送曜日 放送期間 1959/10/08~1959/12/24
放送時間 21:15-21:45 放送回数 12 回 連続/単発 連続
番組名 シキボウ劇場
主な出演 原  保美森塚  敏嵯峨 善兵岡田 英次岡本佳津子松村 達雄幸田 宗丸丹阿弥谷津子福島寿美子北  桂子夏川かほる
主な脚本 木田 重吉喜多 重吉吉田 喜重
主なプロデューサ 大垣 三郎
主な演出 河野  宏大村 哲夫
原作 井上  靖
局系列 ANN
撮影技術 (照明:栗原  進

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