不倫にあこがれる若い娘と、離婚寸前の男のきわどい恋の行方を追いながら、さまざまな恋愛模様を浮き彫りに。日曜日、五井物産資材課勤務の五郎（根津甚八）は、部長・田川（勝部演之）の代理で結婚式に出席。そこで、新郎に捨てられたという若い娘・かおる（原田貴和子）と出会った。五郎は式の最中、かおるが急に泣き出したのは男の不実に対してではなく、出世のために不細工な専務の娘を選んだ男の不幸を泣いたのだと知ってあきれる。だが五郎も男と同類。その日も、田川の浮気のアリバイ作りに駆り出されていたのだ。かおるが不倫願望を匂わすので五郎もまんざらではない。その夜、妻の良枝（林寛子）が一方的に離婚宣言。結婚後、健康食品の店を始め、順調にその事業を伸ばしてきた良枝は、慰謝料は自分が払うと言い残して家を出てしまった。不倫にあこがれるかおるに、離婚はおろか、夫婦不仲の話も禁物だ。五郎は、同僚の洋子（かとうかずこ）に妻役を頼んだ。洋子は、田川の不倫の相手。愛人のつらさを知る洋子は、かおるを思いとどまらせる気だったが、本気で五郎を愛しはじめていたかおるには逆効果。【以上、「ザ・テレビジョン」（角川書店刊）1988/02/19号より引用】