ベテラン刑事と新米刑事の２人が旅を続ける中で、さまざまな事件を解決していく。「バディもの」の刑事ドラマ。川谷拓三がベテラン刑事の峰山、清水健太郎が新米刑事の山田を演じている。旅先で事件に遭遇するという設定から、北海道の東端・野付半島など、ほとんどのシーンをロケで撮影というぜいたくな作り。【以上、学研刊「1980年代全ドラマクロニクル」（TVライフ編）より引用】本放送時には４回しかオンエアされなかったが、４年後の再放送の際に全12回分オンエアされたという。「四月、新番組が華やかなスタートを切っているなか、一足早く三月四日から放送されていた東京12の『あいつと俺』（火曜８時）が、わずか四回の放送で当分の間休止されることになった。『あいつと俺』は、東京12が今春の番組改編の目玉として「あえて一ヵ月早くスタートさせた」（国保編成局長）のだが、第一回目から4.9％、4.6％、2.9％、2.5％と視聴率的にはまったく振るわず、遂に中止になったもの。【この項、「週刊テレビ番組」1980/04/18号より引用】」「何故、視聴率が上がらなかったのか。この頃、刑事ものが全盛時代で、カーチェイスとドンパチと街中を逃げる犯人を追いかけるシーンが多かった。しかし、警察が認めているロケーションは、交通渋滞を起こさない限りのことである。ロケで道路一時使用許可をとっても、交通遮断はできない。従って、車で追いかける場合、辺鄙な他の車の走っていないところに限られているので迫力がない。『あいつと俺』の制作方法の特徴は、毎回地方の自治体や観光協会とタイアップして、名所や旧跡をPRしながらドラマをつくることであった。街中でドンパチやる派手さがないばかりか、コロシや派手なアクションもない。刑事はピストルも撃たず、手錠も持たない。犯人を捕まえても手錠をかけないのだ。こうしたことに、視聴者は馴染まなかったのではないか。犯人を捕まえても手錠をかけないというのは、拓三の意見だと言われるが、彼の優しさと無関係ではなかった。【この項、奥薗守氏著「狂気のなかにいた役者　川谷拓三伝」（2011年、映人社刊）より引用】」各回のサブタイトルは以下のとおり。第１回「男、オホーツクに消える－北海道－」、第２回「しなやかなライフル魔－九十九里浜－」。協力：北海道別海町観光協会(1)、尾岱沼　楠旅館(1)、トーアレディース　チャールスサポン(1)(2)、トリオ(1)(2)。