「帰らぬ鶴」の著者、瀬戸奈々子さん一家のセミドキュメント。原爆特集番組として放送され、ラジオ中国としては初の原爆ドラマ制作。制作を手がけたRCCの制作部長だった新井俊一郎氏は後年記している。「藤本義一さん。当時は大阪ローカルで各方面での活躍で有名でした。後に有名作家になるのですが、この時はまだほとんど無名の時代で、私はご自宅まで訪ねて行き、頼み込んでヒロシマらしい本を書いて貰いました。書いて貰った脚本は、原爆の日特番「地表」です。被爆家庭に暮らす青年の生き方を通して、現代のヒロシマを見つめなおしたいとの意欲作。主演に露口茂を起用し、京都での劇団活動が長い大先輩の毛利菊枝さんを招き、地元劇団員で脇を固めました。この２本の演出を演出補だった佐々木嘉治君に委ね、成功したことで彼も自信をつけた作品です。藤本義一さんには、いささか無理を願ったのではと、やや心が残る作品でした。【この項、書籍「新井俊一郎オーラル・ヒストリー　ヒロシマで被爆全滅を免れた中学校１年生だった私は当日入市被爆者です」（2022年３月30日発行、著者：新井俊一郎、広島大学文書館・75年史編纂室発行）より引用】」【異説】書籍「新井俊一郎オーラル・ヒストリー　ヒロシマで被爆全滅を免れた中学校１年生だった私は当日入市被爆者です」では1962/08/06放送と記載されている。【参考資料：「私の放送人生」新井俊一郎氏（会報「民放クラブ」第149号（2023/04/01発行）掲載）】