「戦前の映画の名作を、監督伊丹万作のシナリオを元にリメイクした作品。伊達騒動を背景に家老原田甲斐のもとに赤西蠣太の名で密偵としてもぐりこんだ武士の活躍を描く【この項、文：のよりん】」「これで笑ったのは赤西蠣太が追手の侍たちに追われて、街道で囲まれるわけだ。僕はそれまでさんざんチャンバラ撮っているから、チャンバラはもういいやっと思って、何か違う方法がないかと考えた。それで、モグラを使った。どういうことかというと、モグラがね街道を突っ切ろうとするワケさ。地面から顔を出すと、すでに追手の侍は全員斬られて死体の山という。これ東芝日曜劇場じゃないよね。（笑）その放映の後で、TBSのすごく偉い人なんだけど、後に会長になった人で「パイプ」って呼ばれてた。僕なんか虫けらだから、これを誰が撮っているのか分からない。何しろ、東芝日曜劇場っていのうは金看板だからね。とにかく小松班だってことはわかっているから、小松さんのところへ降りて来られて、たった一言ですよ。「若けえやつに、東芝撮らせるな」って。（笑）低い声でね。それでオシマイ。それっきり東芝は撮らせてもらえない。【この項、飯島敏宏：著「バルタンの星のもとに」（1997年、風塵社刊）より引用】」【データ協力：のよりん】【参考文献：石井ふく子著「お蔭さまで」（1993/06/20、世界文化社刊）】