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ドラマ 詳細データ海の泡

15年前に遭難した船長と機関士がサルベージのハンマーの音で目覚め、遺族の様子を幽霊になって見に行く。【以上、文:のよりん】「海底を舞台にした幻想的ドラマがラジオ東京テレビに登場する。9月4日の「日曜劇場」(夜9・45-10・45)に出る『海の泡』だ。沈没した船と運命を共にした船長、機関長の亡霊が主役で、かれらは妻たちにひかれてこの世へさまよい出る。海底や亡霊が道具立てだけに、放送の際はトリック撮影の連続だという。まず、あの世の人間が、さまよい出た感じを出すため、現実の人間と同時に現われる場面では、亡霊たちの方を透明な人間にする。現実の画面上の上にかれらの像をダブらせるわけだ。亡霊たちは最初に海底から海の上へ浮かび上がらねばならないが、この場面ではシャンペンのあわにつかまって浮上することになっている。その感じはどうして出すのだろうか。まず水そうを用意して、その中でシャンペンを抜き、あわを大うつしにとる。それにビニール製の大風船を重ねうつし、風船の向こうをすかしてみると、船長と機関長の顔が顔がみえる。かれらは腰にはロープがかかり、スタジオの天井に引きあげられる。こうすれば二人が水中を浮上しつつあるように見える。このあたりは、カメラのレンズの前に透明な小型水そうを固定しておけば、つねに水を通してながめた風景になる。浮上した二人は空を雲に乗って歩く。ここはスタジオの床に空気ポンプで流動パラフィンを吹きつけ、白煙がもくもく立ちこめる中を歩かせる。高速度撮影をすると、スロモーの現実離れした動きが出るという。走る汽車の上や家並みの上を飛ぶシーンでは、フィルムとスタジオ撮影画面の二重うつし、あるいは二枚の絵の特殊操作が利用される。海底に帰るシーンは、スタジオの天井からロープで人間をつって降ろす。テレビでは幻想的ムードが出にくいと、この種のドラマはこれまでとかく敬遠されがちだった。そのカベをどう破るか。そういう意味でもこのドラマの成果は注目していいだろう。【『海の泡』のあらすじ】高根丸の船長(大坂志郎)と機関長(殿山泰司)の二人は、K湾の底に沈んだ船の中にねむっている。かれらは終戦直前に沈没した船と運命をともにしたのだ。15年たったある日、かれらの横たわっている船長室に、サルベージ会社の潜水夫が花束を投げこむ。その物音で二人が長いねむりから目をさますと、二通の手紙が花束にくくりつけてあった。それは船長の妻英子(京塚昌子)と機関長の妻美子(七尾伶子)が、夫たちにあてて書いたもので、サルベージ会社の手をわずらわして海底に届けたものだった。手紙を読んで家族たちの近況を知った二人は、シャバに出て妻やこどもを見たくなる。そこでシャンパンのアワにつかまり、久しぶりに浮き世に帰る。二人の遺族は隣同士で住んでいる。船長の息子時男(小林昭二)と機関長の娘つた子(北村昌子)は、すっかり成人して夫婦になり、赤ん坊まで生まれていた。機関長の家。英子がきて、美子と二人、夫たちに手紙を出したことを話しあっている。それをみてかれらは、家族に先立ったことがすまなく思えてくる。孫の顔を見あきることなくながめているうち時間がたち、二人はまた海底に帰る。もう思い残すことはない。【この項、朝日新聞1960/08/30付より引用】」【データ協力:のよりん】【参考文献:石井ふく子著「お蔭さまで」(1993/06/20、世界文化社刊)】
キー局 KR 放送曜日 放送期間 1960/09/04~1960/09/04
放送時間 21:45-22:45 放送回数 1 回 連続/単発 単発
番組名 東芝日曜劇場(第197回)
主な出演 大坂 志郎京塚 昌子殿山 泰司田島 義文七尾 伶子志水 辰三小林 昭二北村 昌子
主な脚本 (作:八木隆一郎
主なプロデューサ 石井ふく子
主な演出 岩崎 文隆
局系列 JNN
制作会社 KR

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