円城寺りつ子（田中美里）は京都南署の鑑識官。彼女の亡父もかつては京都南署の鑑識官で「鑑識の神様」と呼ばれていた人物だったため、りつ子は何かと比較される。ある日、着物チェーン店『やまぶき』の女社長・宮沢睦美の死体が発見され、りつ子は鑑識主任の志賀（小林稔侍）とともに現場である『やまぶき』本社ビルの裏手に急行する。遺体の様子から転落死と思われるが、その顔にりつ子には見覚えがあった。数日前、ホテルのパーティ会場で指輪が盗まれたと警察まで呼んで大騒ぎした挙句、自分の勘違いとわかり、けろっとしていた女だった。遺体の上着のポケットに「すべてに疲れました」という遺書らしいメモが入っていたが、りつ子には睦美が自殺するような女だとはとても思えない。だが、京都府警本部の立石刑事（井田國彦）は自殺で片付けようとする。思わず反論したりつ子は、京都南署の玉木ケイ子刑事（黒田福美）にたしなめられてしまう。ビルの5階にある社長室には、睦美の靴とメガネが置かれていて、睦美はそこから落ちたと思われた。ところが窓は10cmしか開かない仕組みになっていて、とても人が飛び降りられるような隙間はない。さらに屋上のドアの鍵は閉まっていて、この鍵は前日に新しいものと交換したため、睦美が持っているはずがないという証言が得られる。自殺、事故、事件のいずれにしても、睦美はどこから落ちたのか、刑事たちは首をひねるばかりだった。やがて睦美は、現会長・小菅柳太郎の愛人の子供だとわかる。そして柳太郎の実子である、小菅郁代が社長秘書として睦美の下で働いていたことも判明する。柳太郎は睦美を溺愛していたらしい。ただ、郁代によると二人は最近経営方針を巡って、対立していたという。そんな中、半年前に睦美に突然契約を打ち切られて、自殺騒ぎを起こした後藤という染め職人がいることがわかる…。【以上、テレ朝チャンネル広報資料より引用】本作は、当初、『京都南署鑑識ファイル』の第１作目として制作されたが、放送予定日だった2004/08/07にサッカー中継が放送されることとなり、放送が順延、結果的に後で制作した続編が先行して放送されたため、本作をパート２に位置づけしてオンエアすることとなった。