希望に瞳を輝かせ、新米弁護士・夏目理恵子（原千晶）は面接先の事務所へ急いだ。先輩弁護士・典子（手塚理美）から「弱きを助け、強きをくじき、正義のためなら如何なる犠牲も厭わない法廷荒し」と評判の弁護士・猪狩文助（いかりや長介）の事務所を紹介されたのだ。小汚いビルの中に掛かっている薄汚れた看板を見つけた時、嫌な予感がした。今日は出だしからむさ苦しい風貌の老人にからかわれケチがついていたのだ。案の定、理恵子を出迎えたのはうだつの上がらない司法浪人の耕一（大沢健）。そして、当の猪狩弁護士は先ほど遭遇した老人、その人だった。猪狩は睨め回すような目つきで理恵子を見たかと思うと、ひょうひょうとした会話で生真面目な理恵子をからかう。話が違う、と思ったが後の祭だった。猪狩のペースに乗せられ、理恵子は事務所の一員になってしまった。早速、猪狩のアシスタントとして刑事事件の弁護を担当する事になった理恵子。時効寸前で逮捕された容疑者・永井（倉崎青児）の弁護を妻・伊都子（渡辺典子）が依頼してきたのだ。時効成立まであと３ヶ月。永井が無実なら真犯人は誰なのか。伊都子の必死さとは裏腹に永井はどこか投げやりだった。接見しても何も語らず、時間だけが過ぎて行く。理恵子は苛立ちを隠せないが、猪狩は悠長なものだった。そんな状態のなかで裁判が始まった。噂通り型破りな態度で法廷を混乱させる猪狩。しかし弁護側に有利な証言、証拠は皆無だった。永井は何を隠しているのか。そして猪狩たちは無罪を勝ち取れるのか…。撮影協力：ロイヤルホテル河口湖、富士急行。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】