退職を目前に控えた所轄のベテラン刑事・榊原清次（渡瀬恒彦）は、ふと手にした刑務所発行の文集に懐かしい名前を見つけた。『瀬戸口武史』（杉本哲太）──榊原が１３年前に逮捕し、当人が控訴しなかったことから死刑が確定した男である。瀬戸口の罪は、義父殺しと刑事殺し。榊原は、瀬戸口の妹・弥生（細川直美）を使い、囮捜査のような状況で逮捕してしまったためずっと気にしていた。当時、瀬戸口の家は、瀬戸口、弥生、母・時江（香山美子）、そして義父で小学校教諭・高夫の４人暮らし。かねてから高夫と折り合いが悪かった瀬戸口は、口論の末に刺殺。また、逮捕される際も刑事を殺していた。死刑確定から９年、瀬戸口は、榊原の面会申し込みを断らず、人が変わったような穏やかな顔を見せた。いつ刑の執行が行われてもおかしくない。その瀬戸口が死の前に１度だけ弥生に会いたい、と面会の仲立ちを榊原に求めた。弥生は瀬戸口の事件の影響でずいぶん世間からひどい目に合わされたらしく、ほとんど面会にきていないようなのだ。世間口の最期の頼みを快諾した榊原は、さっそく捜索を開始した。病気で川崎の病院に入院中の時江の話によると、事件後、親子関係を断つため養子に出された弥生は、現在、市内の信用金庫で働いている。榊原は、明るく働く弥生を発見、弥生が清水浩樹という同僚と付き合っていると知った。榊原から話を聞いた弥生は、当然ながら拒否した。弥生は、榊原の囮捜査に利用されたと思っており、殺人者の身内を出したことで故郷、山梨県の大月にいられなくなった過去があった。清水にもその秘密を告白していない弥生が、榊原の説得に応ずるはずがなかった。そんな折、市内の公園で安藤という“恐喝屋”が変死。安藤が時々弥生にからんでいたことが明らかになった。調査によると、安藤は弥生が大月にいた頃の小学校の担任教師。警察は現場近くにいた弥生を取り調べるが確証を得られない。榊原は、弥生と安藤の関係をより深く知ろうと大月を訪ね、調査を始めた。ところが、安藤と瀬戸口の仲が良かったことは分かったものの、なぜか当時を知る学校関係者の口は固い。やがて、当時の校長・田中菊枝に会った榊原は、驚愕の事実を明かされて、茫然。そして、川崎に戻った榊原は、安藤殺しの思わぬ犯人を知った。【以上、日本テレビ広報資料より引用】提供：花王、常盤薬品、丸美屋食品、セコム、サカイ引越センター、NiPPN、チョーヤ梅酒、SUZUKI、ヤマヒサ、DE BEERS。【その他のクレジット表示】ロケ協力：東京建設信用組合、慈雲堂内科病院、杉野学園 ドレスメーカー学院、NTTコミュニケーションズ（株）麻布セミナーハウス、（判読不能１件）、相模湖町レストラングリーンスポット。【役名（演技者）】榊原清次（渡瀬恒彦）、沢村弥生（細川直美）、瀬戸口時江（香山美子）、瀬戸口武史（杉本哲太）、清水浩樹（西川弘志）、瀬戸口高史（佐渡稔）、木下弁護士（内藤武敏）、安藤健一（木場勝己）。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】【参考資料：webサイト「YouTube」】