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ドラマ 詳細データかっこうわるつ(かっこうワルツ)

夫の死後、奮起して不動産の資格を取得したヒロインが、女不動産業者として健気に生きていく。執筆したジェームス三木は自著で本作を回顧している。「料亭の一室で、藤岡琢也が池内淳子にプロポーズする場面では、襖ごしの隣から〔大漁節〕が聞こえる設定にして、向田邦子さんにたいそう褒められた。結婚してくださいという大事なセリフに、宴会のエンヤトットがかぶるので、藤岡もつられてエンヤトットといってしまい、プロポーズが不調に終るのだ。ラブシーンは美しい音楽、サスペンスでは不気味な音楽という、ありきたりのパターンを、私は破ってみたかった。【この項、ジェームス三木著「片道の人生」(2016/11/15、新日本出版社刊)より引用】」ジェームス三木はこのように記す一方、別の場では向田邦子はあまりお互いの脚本の内容にとやかく言ってくることがなかったと記している。「(ジェームス三木は)ドラマの打ち合わせをするために、よく青山にある向田さんの自宅マンションに招かれたという。「当時、すでに売れっ子脚本家として忙しくしていた向田さんでしたが、一通り打ち合わせが終わると仕事の話を一切しない。自分がどれだけ猫を溺愛しているかという話ばかりしていました」普段はドラマや脚本の話を持ち出そうとしない。だから、向田さんの執筆に対する意見や考え方に触れる機会は少なかった。「弟分である私は向田さんに、『この連続ドラマはどういう作品にするべきか』を聞きました。すると『あなたの思う通りに書きなさい』と言うのみ。細かい説明はありませんでした」三木さんが書いた脚本とは方向性が違うこともあったため、意見のくい違いから文句を言われるのではと危惧したこともあった。ところが、向田さんと顔を合わせても、話題はあいかわらず家族や猫など、身の回りのことに終始していた。「脚本家としては後輩の私をプロと認め、信頼してくれていたからだと思います」三木さんの担当回で登場させたばかりの人物が、次の週で旅に出てしまったこともある。このキャラクターは気に入らなかったのかもしれないと、向田さんの心中を推し量りながら次の脚本を書き進めた。面と向かって指導を受けてもダメ出しをされるでもない。だが、向田さんは向田さんで一途に筆を進めている。次週のドラマの内容が、三木さんにとって何よりの叱咤激励になった。結局、ドラマの放送が終わった後になっても彼女が三木さんに脚本の話をすることはなかった。その対応が何よりありがたかったという。「キャリアの差はあったとしても、お互い仕事人としての矜持を大切にしていたから、とやかく言わなかったのでしょう。嬉しかったですが、身が引き締まる思いでもありました。あれこそ口を出さず、一途に生きることは周りの人にとって優しさになるんだと実感しました」いまでも三木さんは、脚本を書くたびに「向田さんならどう返してくるだろうか」と、駆け出し時代を振り返っては懐かしむことがあるという。【この項、「昭和から令和へ 優しかったあの人たち」(雑誌「週刊現代」(講談社刊)2020年11月14・21日号掲載)より引用】」【参考資料:書籍「劇団ひまわり30周年史」(1981/09/22発行、発行所:株式会社劇団ひまわり)】
キー局 TBS 放送曜日 放送期間 1972/11/01~1973/02/07
放送時間 21:30-22:30 放送回数 15 回 連続/単発 連続
番組名 水曜劇場
主な出演 池内 淳子岡田 裕介岡田 祐介)、榊原 るみ藤岡 琢也山田 隆夫
主な脚本 向田 邦子(10)、ジェームス三木
主な演出 宮武 昭夫
局系列 JNN
音楽 山下 毅雄

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