剣にまつわる単発ドラマシリーズ（1967/04/17～1968/02/26、全46話）のひとつ。「一向に出世に励もうとしない夫と、彼に強くあってほしいと願う妻のすれ違いの物語。釣りが唯一の気晴らしの酒井文之進（平幹二朗）。共に江戸で勤めていた十次郎（井川比佐志）のみ祿高の加増があり、家付きの妻・たか（久我美子）は、かつて十次郎とも縁談があったのだと明かして文之進を責める。そして家の将来を慮ってまだ14歳の一人息子・文吾（清水一之）を強引に元服させてしまう。それを見届けた文之進は、武士を捨てると書き置きをして姿を消した。たかがやっと文之進を見つけ出すと、その横には常磐津の師匠・おみつ（北林早苗）がいた。二人の仲むつまじさがたかには辛い。たかは無銘の名刀である文之進の刀を持参し、初めて夫への思いを口にするが、文之進はもう遅いと背中を向ける。たかは涙ながらに文之進に斬りつけ、自分も胸を突く。祭り囃子が賑やかな夜だった。【この項、WOWOW広報資料より引用】」岡田正代の脚本デビュー作。提供・ハウス食品、カルピス。