一時間もののこの作品は、あまり世間には知られていない。というより、ほとんど知られることなく終わってしまったといっていい。毛色の変わった、めずらしいテレビ映画だった。それは合作といっても、一本の作品に日本とフランスのスタッフが共同して取り組むというのではなく、「スパイ」ということをテーマにして、それぞれの国で単発の読み切りドラマを製作し、お互いに出来上った作品を交換し、シリーズとして放送する、というものだった。【以上、実相寺昭雄･著『怪獣な日々』(ちくま文庫）より引用】「深夜に放映されたとのこと。放映日もわかりません。実相寺監督は、「あらかた『ウルトラＱ』の撮影が終わった頃に、取りかかったと思う。」と証言。【この項、文・カミコロ】」「35ミリフイルムの60分もののテレビ映画。【この項、文・松木朗】」ヤフオクに出品された本作の台本の書影には出演者としていったん産業スパイ役として金子信雄があらかじめ印刷で記載されながら縦線で消され、森塚敏と手書きで書き換えられている。【役名（演技者）】ロバート・小野田[33歳]（渡辺文雄）、滝 英司［山田鋼管研究所・技術主任、37歳］（土屋嘉男）、［小野田の］妻・陽子[30歳]（津島恵子）、鈴木政江［看護婦・26歳］（水野久美）、重松［Ｕ社の産業スパイ、45歳］（森塚敏）、平井［山田鋼管常務・技術担当重役］（高桐眞）、西［山田鋼管・社長］（竜岡晋）、岡 謙三［病院長］（清水元）、藤崎［産業省・貿易局長］（浜田寅彦）、リチャード［イースタン・スチール・パイプ社 副社長］（ハロルド・コン・ウェイ）、技師長［イースタン・スチール・パイプ社、アメリカ人］（アンドリー・ヒューズ）、救急病院の医者（小松方正）、課長［産業省・貿易局］（永井秀明）、警備員Ａ（堤康久）、警備員Ｂ（金井大）、警備員Ｃ（島村安弘）、男Ａ［重松の輩下］（伊藤克）、男Ｂ（草川直也）、男Ｃ（飯田和平）、記者（石田茂樹）、記者Ｂ（安田隆久）、記者Ｃ（中村孝雄）。【データ協力・カミコロ、どかん！】【参考資料：webサイト「Yahoo!オークション」出品台本の書影】