芸術祭参加作品。「団地に住み、学校以外にピアノ、絵画、英語、日本舞踊といろいろなレッスンを受けている規格品のような少女・三香子と、舟を家とし、字も読めず、海上だけの生活しか知らないジプシー漁民の一青年との両極端の環境にある二人の奇妙な友情を詩情豊かに描く。制作者は「社会から疎外された漂海民の世界も、中都市の団地生活も、一種の社会的なひずみから作り出したものである。一見原始的とも思える漂海民の生活に、文明の恩恵に浴しているわれわれの生活の中で忘れられていた〝何か〟があるのではないか。われわれはその〝何か〟をもういちど思い起こそう」と抱負を語っている。【この項、毎日新聞1964/10/25付より引用】」【役名（演技者）】三香子（田中千鶴子）、ママ（本山可久子）、家舟のじいちゃん（宮口精二）、五郎（長谷川竜男）。【データ協力：市村靖介】