教師が給食のミルクをわかしているすきに、ひとりの学童が毒ウツギの実を食べて中毒死した。しかも、まずい脱脂粉乳を飲むのが嫌なばっかりに食べたのだという…。今回は、この学童の中毒死事件を中心に、給食ミルク問題で苦悩する辺地の教師の姿を描く。たったひとりの孫を亡くして嘆き憤る由造（山本礼三郎）は、教師の責任を追及して横山（松本克平）を告訴しようとした。ちょうど、村で医院を開いている父のもとへ、休暇で東京から帰省していた久保弁護士（南風洋子）は、平和な村に起こったこの事件に心を痛め、真相究明に乗り出すことになった。【以上、読売新聞1963/12/11付より引用】脚本段階では、脱脂粉乳が入った学校給食を嫌う子供が毒ウツギの赤い実を食べ死ぬというエピソードだったが、編成局長からの指示で脱脂粉乳との関連をカットするよう改稿させられたという。「改稿は深夜、収録を中止して出演者を待たせたまま行われ、戦時下に弾圧を受けた松本克平氏をして「戦争中よりひどいやり方だ」と嘆かせた。【この項、メディア総合研究所・編「放送中止事件50年」（2005年、花伝社発行、共栄書房発売）より引用】」放送当日の新聞テレビ欄のあらすじでは脱脂粉乳のエピソードが入っているが実際の放送内容ではカットされていたと見られる。