太平洋戦争末期に行われた「生体解剖」。命を救うはずの医師が犯した恐ろしい罪とその裏に隠された真相。死刑判決を受けて自分自身と向き合う医師と、その判決に異議を唱え、公正な裁きを求めて奔走する妻。苦悩の果てにたどりついたありのままの真実とはいったい何なのか？人間の狂気と正気を描き出すヒューマンサスペンス。1945年5月。西部帝国大学医学部・助教授の鳥居太一（妻夫木 聡）は、教授の指示のもと、米兵捕虜の手術を手伝うが、それは人体実験手術であった。教授に恐ろしい手術の中止を進言するが、却下され、８名の捕虜が死亡。戦犯裁判で死刑判決を受けた太一は、凶行を止められなかった自分と向き合うことになる。一方、妻・房子（蒼井 優）は、裁判の中でゆがめられた真実を明らかにし、事件の首謀者にされた夫を死刑から救おうと奔走する。房子の必死の思いと、死刑囚たちとの新たな出会いによって、太一は目を背けていた本当の罪に気づいていく…。【以上、NHK番組広報資料より引用】75分枠で放送された本作については文化庁芸術祭参加のために89分枠の拡大版が2021/10/23に深夜に別途放送された（当データベースでは別データとして収録）。番組のラストでは「このドラマは事実をもとにしたフィクションです」とのことわりが表示された。「終後ドラマ『しかたなかったと言うてはいかんのです』（ＮＨＫ、熊野以素原作、古川健脚本）は巣鴨プリズンが主な舞台。死刑に処される順番がいつまわってくるかという心理的極限状況の舞台設定ゆえの強みで一定の緊張感が最後までつきなかった。ただ占領軍の描き方があまりに清廉で、それがかえって不自然で関係先に気を遣いすぎに映ってしまったのは少し惜しまれた。【この項、文：古崎康成（雑誌「月刊「ドラマ」」（映人社刊）2021年11月号掲載）】」【その他のクレジット表示】撮影協力：愛知県フィルムコミッション協議会、名古屋市、なごや・ロケーションナビ、愛知県岡崎市、ほの国東三河ロケ応援団、岐阜県恵那市、京都市メディア支援センター、滋賀ロケーションオフィス、亀山市フィルムコミッション。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】