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おばあさん
演出の野崎元晴氏は語る。「1956年7月、120坪の新スタジオが完成。カメラも3台使用可能、いよいよ本格的ドラマを作る土台が出来た。完成に先立ち、その年の春、新スタジオを使う企画を募集していた。私は追い込まれていた。この千載一遇のチャンスを逃しては二度とディレクターになれないどころか制作からはずされかねない。先の大失態作『大人は判ってくれない』の作者、岡田達門氏がラジオで獅子文六先生の脚色をしていたのを幸い、文六先生への紹介の労をとっていただいた。獅子文六といえば、「自由学校」「てんやわんや」「やっさもっさ」などを新聞に連載、映画化は大当たり、石坂洋次郎、石川達三と並ぶ新聞小説三大巨匠のおひとり。テレビ化など許してくださる筈はないと思いながら、岡田さんとともに大磯の先生のお宅におそるおそる伺った。その25歳の若輩に、先生は快く会ってくださり、戦前の作品ならばどれでもよいよと、簡単に許可して下さった。そして、テレビはまだ海のものとも山のものともわからぬが、必ず発展し大きな力を持つようになる、しっかり作ってほしい。これからはテレビドラマを極力見るようにしたいと温かい励ましの言葉まで頂いた。条件は、脚本は必ず放送前に送ること、月一回位は大磯に来て先生の意見を聞いてほしいとのこと。全く有難いお言葉であった。さて、もう一つの大問題は原作料。先生の映画の原作料は最高と聞いていたので、それこそおそるおそるテレビ制作の現状を説明し、一回3万円でお願いしたいと本当に小さい声でお願いしたところ、ハッハッハッと笑われ、映画並みといえば局はつぶれてしまうだろう。それでいい。とにかく面白いドラマを作ってくれといわれ、またまた大感激。先生の戦前の作品は、主に婦人雑誌に連載されていた主婦対象の家庭小説、放送も、当時ホームドラマというジャンルはなかったから、企画書には主婦を中心として一家揃って楽しめるドラマと書いた覚えがある。企画会議も無事通過し、『獅子文六アワー』とメインタイトルも決まった。さて第1作は何にするか。戦前松竹大船で映画化された、おばあさんと孫娘の情愛を描いた『おばあさん』に決めた。主演は映画と同じ飯田蝶子さんにお願いし、松竹大船のベテランに脇を固めていただいた。多くの映画界の方々が出演する、当時としてはユニークなキャスティングであった。録画などなく、全部生放送。ところが放送3日前、飯田蝶子さんが40度近い熱を出してしまった。代役は無理。リハーサルは飯田さん抜きでやった。本番当日、責任感が人一倍強い飯田さんが病を押して出演、何とか1回目の放送を終了することができた。【この項、「民放くらぶ」第78号(2005/06発行)より引用】」【参考文献:「民放くらぶ」第78号(2005/06発行)】
キー局
NTV
放送曜日
木
放送期間
1956/08/02~1956/11/29
放送時間
20:30-21:07
放送回数
18 回
連続/単発
連続
番組名
獅子文六アワー
主な出演
飯田 蝶子
、
木室 郁子
、
高田 稔
、
堀越 節子
、
風見 章子
、
五月女道子
、
近衛 敏明
、
三島 謙
、
主な脚本
(脚色:
岡田 達門
)
主な演出
野崎 一元
(
野崎 一広
、
野崎 元晴
)
原作
獅子 文六
局系列
NNN
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飯田蝶子
0.999980
木室郁子
0.908154
先生
0.833880
獅子文六
0.764454
お願い
0.577716
原作料
0.558864
大磯
0.522115
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0.442377
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0.396223
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0.392649
高田稔
0.363333
映画化
0.361383
完成
0.341863
作る
0.341707
連載
0.306084
主婦対象
0.297807
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0.297807
失態作
0.297807
やっさもっさ
0.297807
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0.283635
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0.268683
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0.261057
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0.261057
言葉
0.247573
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