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ドラマ 詳細データ悦ちゃん(悦ちゃん(1))

演出の野崎元晴氏は語る。「『獅子文六アワー』の2作目は『悦ちゃん』に決めた。妻を亡くした貧乏詩人とその娘がけなげに生きる物語。2人を温かく見守る婆やには、『おばあさん』に引き続き飯田蝶子さん、貧乏詩人には、映画「今ひとたび」で好演した竜崎一郎さん。さて主役の悦ちゃんは誰に、何しろ小学2年生の主役だ。当時の名子役といえば松島トモ子、彼女は小学2年生、悦ちゃんにはピタリの年齢、演技にも文句なし。だが「鞍馬天狗」の杉作や「快傑黒頭巾」のチョビ安など、映画に出ずっぱりだ。しかも撮影は京都が多い。駄目もとで事務所に当たってみた。案の定スケジュールは一杯だったが、原作に惚れてくれたのか殺人的スケジュールから週3日あけて貰った。その頃は珍しい飛行機でのトンボ返りのくり返しだった。『悦ちゃん』は1回目から大好評。原六朗氏の作詞・作曲になった『マゝ』という主題歌にのったラストのアップ、母を慕ってほろりと流すトモ子ちゃんの涙がお茶の間の視聴者の紅涙をしぼった。数回が過ぎた秋の日、思いがけないことが起こった。昭和天皇が『悦ちゃん』ファンだったのだ。昭和20年代から天皇は毎月文化人をお召しになってよもやま話をされていた。そこに、文六先生が徳川夢声氏らとともに呼ばれたのだ。一時間の予定が、天皇も大層興にのられて話がはずみ、2時間近くに及び、しかも、大半が『悦ちゃん』の話題だったという。日ならずして文六先生から電話があり、天皇が皇后とご一緒に毎回『悦ちゃん』をご覧になり、毎週火曜日を心待ちにしているとおっしゃられた。会合のあいだ、文六先生に質問なさることが多かったと大変喜んでおられた。日本テレビで毎週火曜日夜に放送していた『雨・風・曇』という番組があった。漫画家の近藤日出造さん司会の対談番組で徳川夢声さんが、天皇との会合の内容を披露し一般の知るところとなった。また、月刊「文藝春秋」にも「天皇大いに笑う」のタイトルで詳報された。天皇は貧乏詩人と娘の話に大変興味を示され、本当にあった話なのか?と文六先生に念を押されたらしい。天皇が裏長屋の暮らしなどご存知のはずはなく、戦後、宮中でも食糧難でご苦労なさったとはいえ、悦ちゃん父娘の貧乏話など想像もつかなかったのではないか、だから詩人の収入や暮らし向きなど細かくご質問なさったに違いない。10年ほど前までは神とあがめられていた天皇、皇后両陛下が仲むつまじくテレビをご覧になって、その感想を話し合われている光景など想像もつかなかったが、これ以来、昭和天皇に非常な親しみを感じたものだった。それから何年か後、初めて天皇の記者会見が実現したとき、「天皇はどんな番組をご覧になっていますか?」との質問に「テレビはよく見ているが、局の間の競争が激しいと聞いているので、どれを見ているのかは遠慮したい」とお答えになった。『悦ちゃん』の頃は、NHK、NTVと、開局間もないKRT(現TBS)しかなく、視聴率調査などもなかったため、天皇はおおらかに一番組のことを率直にお話になったのだろう。文六先生は以後『獅子文六アワー』にことのほか力を注いでくださり、大磯のお宅に伺う度に脚本、演出についてご教示を頂いた。さすが劇作家岩田豊雄先生。その後の私の演出に与えられた影響は大きかった。また、伺うたびに、大磯のうなぎ屋で食事を共にして頂き、人生の教えを受けた。先生のお嬢さんが松島トモ子の大ファンだった。一度会わせてやってくれとのご要望で、トモ子ちゃんと伺ったところ、相好を崩して喜んでくださり、犬の縫いぐるみを彼女にプレゼントされたことも忘れられない。『悦ちゃん』の放送延長の声もあったが、なにせ生放送、彼女のスケジュールがとれるはずがない、しかし、彼女も続けたい気持ちが強く、3ヵ月後に続編を放送した。その後、『南の風』『青空の仲間』『太陽先生』など次々と文六先生の戦前の作品を放送し、最新作『夫婦百景』へとつながった。獅子文六先生の作品を通してテレビのホームドラマのスタイルが出来上がって、その後テレビ界はホームドラマの全盛期を迎えた。【この項、「民放くらぶ」第78号(2005/06発行)より引用】」【参考文献:「民放くらぶ」第78号(2005/06発行)】
キー局 NTV 放送曜日 放送期間 1956/12/06~
放送時間 20:30-21:07 放送回数 1 回 連続/単発 連続
番組名 獅子文六アワー
主な出演 松島とも子松島トモ子)、竜崎 一郎龍崎 一郎)、飯田 蝶子金子 信雄簡野 典子五月女道子田村 淳子槇 芙佐子南風 洋子山岡 久乃吉川 満子大矢 兼臣近衛 敏明坂本  武
主な脚本 岡田 達門
主な演出 野崎 一元野崎 元晴
原作 獅子 文六
局系列 NNN
制作会社 (株式会社電通)
主題歌 「マゝ」(作詞・作曲:原  六朗

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