「みをつくし」は「身を尽くし」…。大坂に生まれた天涯孤独な少女・澪（みお）が、料理の腕一本を頼りに江戸に行き、艱難(かんなん)辛苦を乗り越えながら、やがて一流の女料理人になるまでの波乱万丈の物語。1802年（享和2年）、大坂・淀川の水害で両親を亡くし、幼なじみの野江とも生き別れ、一人ぼっちになった8歳の澪（みお）は、たまたま出会った料理屋・天満一兆庵の女将・芳（よし）に助けられ、女料理人として修業をはじめた。板場がまだ女人禁制の時代に、天性の味覚を見込まれたのだ。しかし、天満一兆庵が火事で焼失してしまい、澪と芳は主人の嘉兵衛とともに江戸へ出立。不思議な縁で、蕎麦屋「つる家」の主人・種市から店で働かないかと誘われる。上方と江戸の味付けの違いに戸惑い、ライバル店の激しい妨害に遭い、武士・小松原との身分違いの恋に悩みながらも、澪は一人前の女料理人としての道を懸命に貫いていく。澪は“雲外蒼天(うんがいそうてん)”…誰も見たことのない青い空を見ることができるのか？澪に淡い思いを寄せる医者の源斉、澪の料理の辛口ご意見番・清右衛門、気風がよくて世話好きのおりょう、吉原一の花魁(おいらん)あさひ太夫など個性豊かな面々の厳しさと優しさに助けられながら、ヒロイン澪は才を磨き、自分だけの“心星(しんぼし)”を探して、今日も明日も料理の腕をふるうのだった。【以上、NHK広報資料より引用】「『みをつくし料理帖』（ＮＨＫ、髙田郁原作）は語り口と間合いが心地よく、違和感なくすっと江戸時代の世界に引きこまれていく巧みさが光った。これまで、藤本有紀脚本は毎回魅力的な世界に浸ることのできる中身の濃い作品を手掛けてくれるが、つねづね、導入部で少しばかりまどろっこしいところがあり、そこが多少もったいないと感じていたのだが、本作では導入部から劇中世界へ鮮やかに誘引してくれた。【この項、文：古崎康成（雑誌「月刊「ドラマ」2017年８月号掲載より引用）】」【その他のクレジット表示】資料提供：高津　克幸(2)。【各回サブタイトル】第一回「はてなの飯」、第二回「とろとろ茶碗蒸し（「碗」にルビ「わん」が付く）」、第三回「三つ葉尽くし（「尽」にルビ「づ」が付く）」、第四回「ほろにが蕗ご飯（「蕗」にルビ「ふき」が付く）」、第五回「ひとくち宝珠（「宝珠」にルビ「ほうじゅ」が付く）」第六回「う尽（づ）くし」、第七回「ふっくら鱧（はも）の葛叩き」、最終回（第八回）「寒鰆（かんざわら）の昆布締め」。放送期間のうち、2017/05/27は別番組放送のため番組休止。【役名（演技者）】澪（黒木華）、小松原［小野寺数馬］（森山未來）、芳（安田成美）、種市（小日向文世）、永田源斉（永山絢斗）、清右衛門（木村祐一）、坂村堂嘉久（村杉蝉之介）、嘉兵衛（国広富之）、おりょう（麻生祐未）、佐兵衛（柳下大）、太一（林田悠作）、野江[1]・少女時代の野江[3]（安藤美優）、伊佐三（小林正寛）、大坂屋の手代（久野雅弘）、屋台の店主（浜田道彦）、仲居（坂井香奈美）、少女時代の澪（大庭愛未）、客[2]（松本ししまる、多田木亮佑、植田真介、川嶋秀明、内藤裕志）、早帆（佐藤めぐみ）、ふき（蒔田彩珠）、菊乃（柳生みゆ）、末松（毎熊克哉）、あさひ太夫（成海璃子）、又次（萩原聖人）、采女宗馬（松尾スズキ）、水原東西（星田英利）、卯吉（小久保寿人）、引船女郎（藤井亜紀）、幇間［ほうかん］（岩田丸）、奉公人（山崎秀樹）、健坊（齋藤絢永）、願人坊主（村松卓矢、若羽幸平、金能弘、坂詰健太、荒井啓汰）、坂梨志摩守（山崎一）、伝右衛門（伊武雅刀）、佐兵衛（柳下大）、駒澤弥三郎（波岡一喜）、喜の字屋（大谷亮介）。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成(1)-(4)）】