これは幻と終わった1940年東京オリンピックをめぐる陸上版、「フィールドオブドリームス」である……。深夜、東京の駒沢陸上競技場、闇に沈むトラックをだぶだぶのランニングシャツを着た一人のランナーが駆け抜ける。戦前の日本で陸上長距離競技界の至宝といわれた山下勝だ。彼はある強い思いがあって現代に姿を現した。1940年、東京ではベルリンに続いてオリンピックが開催されるはずだった。しかし、戦争が迫りくる時代のなかで五輪史上はじめての返上を余儀なくされ、メダル確実といわれた彼が喝さいを浴びることはなかった。深夜のトラックで山下と出会うのは、スポーツ新聞の新人記者、佐藤だ。毎夜のように山下と対話を重ね、自分でも戦前の幻と終わった東京オリンピックの顛末を取材して歩いていく。その中で佐藤は、悲しい事実を知る。1942年、徴兵をうけた山下は無念のなか中国戦線で命を落としていたのだ。山下は今、なにを語ろうとするのか。幻のオリンピックにかけた一人のランナーの物語、実話に基づき、ドキュメンタリードラマでお届けする。【以上、NHK広報資料より引用】途中、ニュース中断あり。地上波ではNHK GTVにて2014/07/20、日曜13:05～13:50で全２回放送された。撮影協力：駒沢オリンピック公園総合運動場(1)(2)、日本体育大学(2)。資料提供：日本スポーツ振興センター(1)、読売新聞(2)、朝日新聞(2)、東京新聞(2)。【演技者…役名】「●阿部力…佐藤走（現代のスポーツ新聞の新人記者）、●森廉…山下勝（佐藤走が夜の駒沢陸上競技場で出会う男性。戦前の日本で有名だった陸上の長距離選手）、●花ヶ前浩一…佐藤走の勤めるスポーツ新聞社の編集長、●村上幸史…佐藤走が取材しているやり投げの選手（本人）、●二階堂智…佐藤走の先輩の記者。【この項、文：市村】」【データ協力：市村】