ある夜、三重県の鳥羽市で男が車に追われていた。逃げ切れず、はねられて死んでしまう男。同じ夜。名古屋中央テレビの人気リポーター・大原路子（遠藤久美子）が、自宅マンションから江木徹（西川忠志）に電話をかけていた。二人は明日結婚するというのに、新聞記者として多忙な徹はまだ仕事の最中だった。電話を切った後、徹は何者かからの連絡を受け、車を走らせる。海岸沿いのさびれた道は、明かりもなく真っ暗だった。突如強い光が現れ、徹の目を射る。運転から一瞬注意がそれたそのとき、突如パワーショベルが現れた。道の真ん中に放置されていたのだ。車はよけきれず、突っ込んでしまう…。翌日、結婚式場の控え室。ウエディングドレス姿の路子が、徹の姉・倫子（山村紅葉）らとともに、式の時を待っていた。そこへ、徹の上司のクロカワ（表記不明／近江谷太朗）が現れ、徹が死んだという。徹は、幼いころ育った伊勢志摩地方、三重県阿児町に来ていた。地元所轄署の刑事課長・松岡（小野武彦）は、暗い道でハンドル操作を誤ったのだろうと説明する。遺品のなかには、なぜか仕事用のカバンだけが見あたらなかった。そんななか、ひときわ目を引くものがあった。大きな黒真珠の指輪。伊勢志摩の名産だ。松岡は、路子に贈るため買いにきたのだろうと推測してみせた。告別式。焼香に現れた女（荻野目慶子）が、帰り際に路子に話しかけてくる。女は「クイーンズパール」代表取締役・島夕子だった。夕子は徹の恋人だった言い捨て、去ってゆく。路子たちはふたたび松岡に呼び出される。徹の車に血痕が付着していたのだ。事故と同じ日に鳥羽市で死んだ男のものらしい。男は中国人で、目撃証言から、ひき逃げした車は徹の乗っていたのと同じ白いセダンとわかる。松岡は、徹が男をひいたあと、逃亡中にスピードを出しすぎて事故にあったのだろうと考えていた。弟を見舞った事態を受け入れられない倫子の怒りは、路子に向けられる。激しくなじられたうえ、徹との新居になるはずだったマンションは、処分するから出て行くよう通告される。部屋に残され、悲しみに暮れる路子は、ふと徹との思い出の品であるオルゴールに目を向ける。裏側に鍵が張り付けられていた。しかし、何の鍵か分からない。路子は徹の勤務先の新聞社に赴く。ところが、徹の机に残されていた伊勢志摩関連のファイルとフロッピーのうち、「14番」だけが欠けていた。仕事に持ち歩いていたのか。しかし、事故現場からパソコンや書類の入ったカバンは消えていた。徹は即死だったというのに。さらに、残されていた指輪も、路子の指のサイズよりもはるかに大きかった。疑念を強める路子…。【以上、文・練馬大根役者】「土曜ワイド劇場」枠で放送するために2003年10月ごろ制作されたが放送されないままオクラ入りになった。その後、2007/10/18、木曜20:00～21:54に「ドラマスペシャル」として放送することがいったん告知されたが「プロ野球パ・リーグクライマックスシリーズ　日本ハム対ロッテ」放送のため、休止となった。その後、2008年初春、土曜昼間に初放送。美術協力・築工の真珠　インターライフ、KAZU、東京・三鷹　東葬祭　あづまグループ、ABISTE、WHY CO.LTD.、フォッシルジャパン、P/PORT VILA INC.、ヒラテ、ボーグ、ハセガワ、マスダ増、ゼロハリバートン、Asire。衣裳協力・Bridal TSY、M-CREW'S、フーフォレー、BUONA GIORNATA、NyMA、I･N･C、in this life、un dix cors、Yukiko Kimijima、ジュネビビアン、BELLE POMETTI、サンクローバー、住商オットー、リベラル。撮影協力・東京バイオテクノロジー専門学校、鳥羽シーサイドホテル、調布病院、合歓の郷、ウェルサンピア多摩、古賀オール、近畿日本鉄道。協力・光映新社、ポパイ・アート、東宝コスチューム、ストロベリーキッズ、コンガス、カースタントTA･KA。宿泊協力・伊勢志摩ロイヤルホテル。写真協力・真珠科学研究所。取材協力・伊勢志摩観光フィルムコミッション。「役名、大原路子…遠藤久美子、島夕子…荻野目慶子、島信也…石丸謙二郎、江本倫子…山村紅葉、沢村仁志…湯江健幸、江木徹…西川忠志、森田早苗…今村恵子、森田孝平…森下哲夫、路子の同僚・シラカワミキ…大方斐紗子？、クロカワ（表記不明）…近江谷太朗、松岡刑事課長…小野武彦、藤田達也…渡辺いっけい。【この項、文・練馬大根役者】」【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（データ協力：練馬大根役者）】