神戸三ノ宮、深夜バス乗り場の待合室。島崎藤子（奥貫薫）は、東京行きの切符を握りしめ、不機嫌な顔でバスを待っている。そこへ、最近話題の「30歳以上の独身女性」の実態を取材するため、東京に向かおうとしている記者・後藤祐輔（筧利夫）がやってくる。言葉を交わし始めた時、藤子の携帯がなった。どうやら東京の彼氏に電話でフラれ、説得の為に東京に向かう途中らしい。若い女に乗り換えた彼氏を責め、自分がどれほど自立した立派な女か、どれほど彼をサポートしていたかを切々と説いている。後藤はちょうど良い取材対象と出くわしたとばかりに、藤子の調査を始める…。【以上、朝日放送広報資料より引用】「神戸三ノ宮にある関西高速バスの乗り場で、東京行きの最終バス・レインボー神戸号を待つ一人の女性と男性。男性はうだつの上がらない雑誌記者・後藤祐輔（筧利夫）。彼は「おひとりさまの本心」という、30代独身女性の特集の取材を依頼されていた。《おひとりさまの勝利宣言》という独身女性に支持された本の内容にある通り、30代の独身女性は勝利者なのか、検証しようという企画らしい。そこで早速、祐輔は目の前の女性にこの本の感想を聞く。この本の内容に批判的な祐輔と、本の内容を支持するその女性は口論になる。その途中、女性の携帯電話が鳴る。彼女は東京にいる恋人から別れ話を切り出され、納得行かずに東京へ向かう途中らしい。その時、祐輔は、本の著者・島崎藤子〔とうこ〕がその女性だと気付いて驚く。編集部に電話を入れ、録音テープを回し始める。イライラしていた藤子はコケて捻挫をして、祐輔に助けられる。再び東京の彼氏に電話する藤子。藤子たちは藤子が買った新しいテーブルのことでモメたようだが、実は彼氏には23歳の若い愛人がいるらしいことが発覚する。祐輔は藤子に手作りのおにぎりを勧める。それは祐輔が作ったものらしく、実は三年前に妻に逃げられたらしい。だから彼の言う、壊れたテーブルとケガをした妻の足なら妻の足ほうが大切に決まっているという意見もあまり説得力はないのだ。祐輔は、妻と結婚した時、同じ夢を見てくれる相手とバスに乗り込んだみたいなものだったと話す。でも行き先が決まってなかったと振り返る。そのため、二人ともバスから降りてしまったのだと。藤子は、医者である彼氏は一緒に夢を見てくれる相手が欲しかったのではないかと考える。彼氏が選んだ若いOLである愛人は、看護師になる勉強を始めたのだそうだ。結局、祐輔は藤子に、藤子は祐輔に慰められる。「彼と結婚したかった」と笑う藤子に祐輔が言う。「あなたの笑顔、何かに似てると思ったら、カエルに似てますね」。そこへバスが着く。藤子はもう東京へ行く用事がなくなったと言う。そこで祐輔は、「今度は独身女性の泣き言も素直に書いてみたらどうですか、島崎藤子さん」と言いながら《おひとりさまの勝利宣言》の著者の写真のページを見せる。そして、「あ、その本のタイトル、《負けガエルの夜泣き》ってどうですか？」「絶対、イヤです」「絶対、売れると思うけどな」「売・れ・ま・せ・ん！」。祐輔はゴミ箱に盗み撮りしたフィルムや録音テープを捨てて出ていく。残された藤子は、《負けガエルの夜泣き》というタイトル、ちょっとイイかも、と考える。帰ろうとするが、足が痛くて座り込んでしまう。「あー、捻挫してたんだ。あたし、帰れないよー」と笑う。エンディングクレジットに流れる歌はやはり♪“ロコ・モーション”（英語）。【この項、文・市村】」協力・MEW、オフィス・ウィンズ。衣裳協力・GAS、Lentini co.,ltd.。