東京タワーが完成した翌年の1959年、日本の高度経済成長が進み始めたその頃、高校生のナオト（伊崎右典）は、親の理想を押し付けられ、憂鬱な日々を送っていた。今何かを掴まなければ、一生変わらないとは感じるのだが、その何かが分からないのだ。自分を変えてみようと俳優を志すが、プロのスカウトは、ナオトには目もくれない。そんなある日、ナオトは、六本木のライブ『レオス』に行って強烈な衝撃を受けた。若い男女が狂ったように踊っているそこは、世間からは不良集団と呼ばれていた野獣会の溜まり場だったのだ。スカウトの誘いなど目もくれない会のリーダー的な存在は、ロカビリーバンドのドラムをやっている修司（宮良忍）。仲間にウソをつかないということが唯一の掟となっている野獣会は、それぞれ天下を盗ろうと夢見る若者たちの集団だった。修司と並んでリーダー的な存在なのは、紅子（菅原禄弥）。他に、写真家兼モデルのポー（歌津圭一郎）、その恋人で女優の卵のシュシュ（浮田久恵）、デザイナー志望のりん（石川愛理）、歌手を夢見るノリの軽いチャラ（鈴木靖英）たち。自分の求めていた何かが野獣会にあると本能的に気付いたナオトは、いつしか「野獣会に入れてくれないか？」と修司に話していた。これを聞いた修司は、テストをすると言って、車の屋根に載せたスノコの上にナオトを座らせ、車をスタートさせた。恐怖で顔をゆがめるナオト。だが、そこに修司も一緒に座り、震えながらも耐えるナオトを励まして…。【参考資料：webサイト「SET」内の「赤堀二英」プロフィール（2021/12/02参照、http://www.set1979.com/member/%E8%B5%A4%E5%A0%80-%E4%BA%8C%E8%8B%B1/）】