妻に先立たれた老人・西村与平（森繁久彌）は、彼が所有するマンションに、三女の直子（五十嵐めぐみ）とその夫で教員の原田信吾の三人で暮らしていた。ある日、与平が亡妻の墓参りに向かうバスに乗っていると、同じマンションに住む若い娘・坂本絵里（牧瀬里穂）が、何度も携帯電話をかけたり切ったりしている姿を目にする。絵里は失恋のショックで会社を辞めてしまったらしく、与平とは今までもマンションの近くでよく出会っており、そんな彼女を与平はかねてから気にしていたのだった。すると突然、青酸カリを持っていると携帯で話す絵里の声が聞こえてきた。バスの車内が静まり返る中、与平に気づいた絵里は彼に声をかける。乗客の視線を感じた与平はとっさに、絵里の芝居の稽古に熱が入っていたと感心したそぶりをみせる。そこへ、同じマンションに住む老人・中村吉郎（田口計）が乗ってきた。中村は、絵里に無遠慮な視線を向け、注意をする与平をよそに軽口をたたき始める。そして絵里は、逃げるようにバスを降りてしまう。与平と中村は、静枝というおかみ（水野久美）がやっている行きつけの小料理屋を訪れる。二人が絵里のことで口喧嘩をしていると、座敷から鍋島（石倉三郎）という男が顔を出した。静枝は、鍋島がかつて空き巣の常習犯だったことを与平に耳打ちする。地上波では、TX系にて2001/06/06、水曜20:54～22:48に放送された。車輌：ランナーズ。撮影協力：日商岩井亀戸マンション、関東バス、日立物流、Sun Street、TSUTAYAサンストリート亀戸（クレジット表示は、TUTAYA）、つるかめらんど亀戸店、大井医院、NTTドコモ、エリットバッグ、カギの救急車、平安祭典、ダック引越センター、関田フィリッポ。協力：日活撮影所、日活美術センター、東宝コスチューム、日照、イマジカウェスト。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】《16:9》