結婚詐欺師の女と詐欺および窃盗罪の男、そして身寄りのない万引き少年が、ある日、一緒に暮らすことになる。【以上、読売新聞1989/04/03付より引用】「三人の詐欺師がふとしたことからいっしょに暮らすようになる愛憎物語。十三回シリーズの第一回。詐欺師三人といっても、一人は男の窃盗詐欺師（世良公則）、もう一人は女の結婚詐欺師（石田えり）、三人目は万引常習犯の少年（富田晋寛）。じつはあるヤクザ組織の黒幕が仕組んだワナ、さて、この三人はどうなるのか……というところで第一回は終わっていた。柳井満プロデューサーお手のものの子役入りのアクションドラマ。これまでの同系のドラマに比して、アクション俳優にしては妙に大人っぽい男女になっていて、不釣りあいな感じ。暴れん坊の若手俳優にせずに、それなりの芸を持った男女俳優にしたのは、何か意図があるはずだと思いながら見ていたが、それらしいものが感じられなかった。相変わらずの乱闘シーンがいくつも出てきて、その間にちょっとソフトなシーンがあるという従来のパターン。それにしても、暴力乱闘シーンもこれまでのような恐ろしさがなく、いままで興味をひかれてきた非日常性のドラマ化がうまく出ていなかった。【この項、文：志賀信夫氏（志賀信夫著「志賀信夫選 年間テレビベスト作品一九九〇年度（第二期第三集）」（1990/08/27発行、源流社刊）」より引用）】」