川崎の広大な埋立地でオフロードバイクを走らせる一人の若者がいた。村上大介（織田裕二）、十九歳。彼は高校中退者だ。大介に何とかして高校を卒業して大学に進学してもらいたいと切望する父親、市造（佐藤慶）は、大介を受け入れてくれる新しい高校を探してくる。心配げに見送る母親、奈津（吉村実子）を後に、川崎から多摩川の上流、五日市にある一の瀬高校に編入試験を受けに向かう大介であった。気の進まぬまま一の瀬高校に来た大介は、バイク通学生を見て目を輝かせる。この高校ではバイクに乗れるのだという思いは大介を駆り立てた。バイクは高校を中退して以来、孤独な大介の唯一の友であり夢であった。新しい高校生活が始まる。各地から編入してきた高校生で自宅から通学できないものは、高校が民宿を借り上げて急造した青葉寮に入ることになった。大介の仲間は八人。それぞれに高校中退の過去と苦い思い出をもつ若者たちであった。この青葉寮の舎監になったのが、彼らとの体当たりの教育に情熱を燃やす教師、香月友雄（三浦友和）である。そして、編入生の中に自宅から遠く離れて大阪からやって来た国広恵子（長谷川真弓）がいた。彼女は高校の先生である川口芙美（マッハ文朱）のアパートに世話になることになる。青葉寮で大介はさっそく香月と衝突する。バイク通学は自宅からしか認めないとする高校側とバイクに乗りたくて一の瀬高校にやって来た大介とは平行線のまま対立が続いた。そうした大介の態度を一番、苦々しく思っているのが教師の大野（橋爪　功）であった。そんななかで大介は小さなバイク屋をやっている多田（西郷輝彦）と出会う。多田はかつてパリ・ダカールラリーにサポート隊として参加したキャリアを持っていた。パリ・ダカールラリーこそ大介の夢であり、情熱の全てを賭けてもいいと思っている世界であった。【以上、NHK広報資料より引用】当初1989年1月7日放送予定だったが、昭和天皇死去にともない放送日が変更された。各話サブタイトルは以下の通り。第一回「編入！俺はダブりの三年生」、第二回「反抗！ヒリヒリするほどいい気分」、最終回「卒業！親不孝　終ってみると丸裸」。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成(1)-(3)）】