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ドラマ 詳細データ突然の明日(「明日」にルビ「あした」が付く)

相馬圭太郎(三浦友和)は東大法学部を出て阿南銀行に入り、現在、南青山支店に勤務しているが、その才能を買われ、間もなく本店の秘書課に栄転することになっていた。「ドラマは三浦友和が勤めるこの大手銀行の支店に銀行強盗が押し入り、警察官を殺傷し立てこもるところからはじまる。ちなみに銀行強盗を演じたのは2年後「蒲田行進曲」でブレイクする風間杜夫。篭城の末、風間はあっさり射殺されるが、射殺したのは三浦だった。自ら所持した拳銃で逆に射殺されたのだ。正当防衛が認められたがエリート銀行員が銀行強盗を射殺!?というスキャンダルに巻き込まれてしまうのだった。銀行強盗が射殺されるまでが第1回。明らかに大阪で現実に起きた銀行強盗事件をモデルにしたこの第1回は現実を意識しすぎで実はあまり面白くないし、辛気臭い。ところが辛気臭いのはここまで。第2回からこのドラマの大転回がはじまる。殺人を犯してしまったエリート銀行マン・三浦のまわりににわかにきな臭い空気がたちはじめる。まず、三浦友和の前に古手川祐子が現れる。彼女は銀行強盗犯・風間の妹だ。彼女は兄の犯罪のため仕事を追われ風俗業に勤めようとする。兄を殺した三浦はそんな古手川を自責の念から援助しようとするが、親愛なる兄を殺した三浦を古手川祐子は憎悪している。しかし経済難から止むを得ず三浦の援助に頼りやがて三浦のその誠実な人柄に心惹かれていくのである。兄の仇を憎んでいるうちにいつのまにか心から愛しているという非常に難しい役柄を古手川はひたむきに演じている。この当時の古手川祐子は『西部警察』にも渡哲也の妹役でレギュラー出演するなど多忙でニキビが顔に出てそれが悩みの種だったというがそういうところも当時の彼女には魅力の一つだった。後の大人の女性の魅力を持つようになった古手川とは違う若々しさと清らかさ漂う魅力があった。三浦と古手川との愛の形が丁寧に描かれていくが、ストーリーは予想外の方向でどんどん突き進む。ブラックジャーナリストを自称する矢崎滋などどす黒い闇の勢力が三浦友和にまとわりつき、ドラマは二転三転し、予想外の展開を見せていく。二転三転のドラマ展開といえば90年代に入って『もう誰も愛さない』のような「ジェットコースタードラマ」なるものをほうふつさせるが、荒唐無稽な展開に陥らず視聴者をリアルな話として引き込んでいくという点でこの『突然の明日』にはかなわない。それどころかひょっとしたら後年のジェットコースタードラマはこのドラマが1980年代後半に再放送されておりそれを観た脚本家が発想したものではないかとも思えてくるほどだ。また劇中出てくる「闇の勢力」も最近のドラマにありがちなハリボテのような描写ではない。心底凄みがある怖い底なしの勢力が日本に存在しているような印象を与えるのである。ドラマでは主人公に襲いかかる運命の流転の中で、次第にひかれていく三浦友和と古手川祐子の姿が描かれていく。音楽は安藤正容が全編を担当しており、安藤ひきいるフュージョングループ、ザ・スクエアの「Tomorrow's Affair」がメインテーマだが、このドラマのために書き下ろされたものだという。ザ・スクエア自身、この曲がお気に入りだったのか、のちに彼らはT-SQUEREと名前を改めて後にドラマ『じゃじゃ馬ならし』(1993)の音楽を担当したが、このドラマのメインテーマに再びこの曲をアレンジして使用した。【この項、文:古崎康成(書籍「Hotwax 日本の映画とロックと歌謡曲」(2006年、ウルトラ・ヴァイヴ発行、シンコーミュージック・エンタテインメント発売)vol.6掲載)】」矢崎滋は短い髪ですごみがあるがこれは戯曲「小林一茶」出演直後であったためだと後年、回顧番組「テレビ探偵団」で本作が紹介された際に語っている。三浦友和は山口百恵との婚約で取材陣が収録に押し掛けて大変だった。市川哲夫は本作で演出デビュー。「80年前後、TBS 金曜ドラマはテレビドラマの世界では一頭地の抜けた存在であった。すでに73年の白い影、77年の岸辺のアルバムといった名作ドラマを世に送り出していた。しかし、79年、7月期と10月期の金ドラは、連続して視聴率不振で、もし三期続いて低視聴率に終われば、金ドラ枠自体の存続も危ぶまれる事態に追い込まれていた。担当プロデューサーは、今回は、芥川賞ではなく、直木賞路線で行きたいと宣言。ストーリードラマの面白さを追求することで脚本家と制作スタッフは、一致した。原作は、換骨奪胎され、ヴァイオレンスロマンと銘打たれ、伝説的なジェットコースタードラマと謳われたエンターテインメントドラマが生まれた。初回を79年に起きた銀行強盗事件から、始めたらと提案した若手のスタッフだった市川は、このドラマの第9回で初演出を果たし、視聴率上昇に貢献。鈴木プロデューサーは、公約通り前二作からの視聴率倍増を実現。金ドラ枠存続というミッションを果たした。【この項、文:市川哲夫】」脚本では主人公の勤務地が南青山支店ではなく吉祥寺支店だったという。「相馬の勤務先は、吉祥寺支店ではなく、南青山支店である。脚本では、吉祥寺だったがロケハンの過程で、南青山に撮影に適した銀行支店にふさわしいビルが見つかり、脚本の設定を変更した。【この項、文:市川哲夫】」【各回サブタイトル】第一回「婚約の二人の前に」、第二回「極限抱擁」、第三回「血族の証拠を」、第四回「私を買って下さい」、第五回「父は必要ではない」、第六回「婚約破棄」、第七回「結婚できない女」、第八回「愛の前ぶれ」、第九回「彼の子供を生みます」、第十回「昨夜何もかも終った(「昨夜」にルビ「ゆうべ」が付く)」、第十一回「君は一人ではない」、第十二回「ついて行きます!」、最終回「三時・ここで待つ」。【役名(演技者)】相馬圭太郎(三浦友和)、牛場和子(池上季実子)、阿南幾太郎(二谷英明)、相馬光子(加藤治子)、山崎陽子(古手川祐子)、牛場信隆(神山繁)、近所の奥さん(賀原夏子)、大倉庄助(矢崎滋)、家里留美(宇津宮雅代)、清原君子(有吉真知子)、青木広子(皆川妙子)、シューズショップ店主[6](鷲尾真知子)、小野沢夫人(丸山由理亜)、女子社員(福地華世)、国立銀行三田村総裁(中村伸郎)、銀行役員(久遠利三、相原巨典、入江正徳、山本武)、西山竜太郎(金田龍之介)、ボーイ[7]・クラブ ルミ ボーイ[8](田山涼成)、タクシー運転手(山口純平)、影山智彦(志垣太郎)、土門信介(松下達夫)、岡本英子(山本梢)、クラブ ルミの客(金井大)、クラブ ルミの客(岩城和男)、興信所所長(依田英助)、ホステス しの(渡部真美子)、ウエイトレス(長谷川涼子)、興信所所員(森篤夫)、倉橋女医(本山可久子)、安井室長代理[9][11]・安井室長・代理[12](岩崎信忠)、ケン・藤田(トビー・門口)、クラブルミ・ボーイ[9]・ボーイ[10](梅原正樹)、クラブルミ・ホステス(保坂路子)、看護婦(山崎優子)、神父(ジョン・スティッカン)、神谷次郎(草薙幸二郎)、アパートの主婦(佳島由季)、侵入する男(後藤健、人視比呂志)、出前の男(南部寅太)、記者(大塚博、刀原章光)、外人客(ナッセ・シンダ)、毎朝新聞・記者(横内正)、唐沢・元経理部長(梅野泰靖)、刑事[12]・捜査二課・刑事[13](林昭夫)、刑事(池田武司)、河合病院医師(篠原大作)、看護婦(赤坂淑子)、所轄署・刑事(平田守)、古川[13](伊藤高)。【出典:ドラマ本体のクレジット表示より採録(採録:古崎康成(1)-(13))】
キー局 TBS 放送曜日 放送期間 1980/01/18~1980/04/11
放送時間 22:00-22:55 放送回数 13 回 連続/単発 連続
番組名 金曜ドラマ
主な出演 三浦 友和(1)-(13)、池上季実子(1)-(3)(5)-(13)、二谷 英明(1)-(13)、加藤 治子(1)-(8)(11)-(13)、古手川祐子(1)-(13)、神山  繁(1)-(3)(6)-(13)、南原 宏治船上  爽舩上  爽南原 伸二)(1)(2)、賀原 夏子(2)(4)-(6)(8)、斎藤とも子斉藤とも子斉藤 友子斎藤 友子)(3)、宇津宮雅代(3)(4)(7)-(12)、中村 伸郎(5)(9)(12)、南風 洋子(2)(3)(7)(9)(11)(12)、北村 昌子(1)-(3)(6)-(10)(12)(13)、矢崎  滋(1)-(7)(9)-(13)、風間 杜夫(1)(2)、有川  博(1)-(3)(5)-(7)、三浦 真弓(2)-(4)(6)-(9)、矢野  宣(4)-(8)(11)、矢吹 寿子(4)、八木 昌子(5)、伊藤  高(2)-(4)(11)(13)、深見  博深見 亮介)(1)-(4)、有吉真知子(1)(2)(4)(8)-(12)、江幡 高志(1)(2)、和田  周(1)(2)、井上三千男(1)(2)、皆川 妙子(1)(5)-(8)、伊藤 正博(2)、須永  慶(1)(2)、石見 栄英石見  栄)(2)、山崎由美子(3)、青柳 智子(3)、野沢由香利(3)、田山 諒成(3)(4)(7)(8)((7)(8)は、田山 涼成、と表記)、ホワード・ボス(3)、デービッド・コブリ(3)、山中 泰介(4)、三川 雄三(4)(5)、牧村泉三郎(4)、山中 竜二(4)、小池  栄(5)、長沢  大(5)、佐々木 敏(5)、亀山 美樹(5)、有馬 昌彦(1)、大塚 国夫(1)、柄沢 英二(1)、内田 忠男(1)、芝村 洋子(1)、桜井恵美子(1)、辻  萬長(1)、倉地 雄平(1)、佐々木一哲(1)、大江  徹(1)、下坂 泰雄下坂 亮介)(1)、清郷 秀人(1)、久遠 利三(2)(9)、相原 巨典(2)(9)、入江 正徳(2)(9)、山本  武(2)(9)、野村 信次(2)、市川  勉(2)、荒瀬 寛樹晶衛 里仁)(2)、佐藤知多子(2)、鷲尾真知子(6)、丸山由理亜(6)、福地 華世(6)、金田龍之介(7)-(13)、山口 純平(7)、志垣 太郎(8)(9)、松下 達夫(8)、山本  梢(8)(9)(11)、金井  大(8)、岩城 和男(8)、依田 英助(8)、渡部真美子(8)、長谷川涼子(8)、森  篤夫(8)、本山可久子(9)、岩崎 信忠(9)(11)(12)、トビー・門口トビー門口((9)、梅原 正樹(9)(10)、保坂 路子(9)、山崎 優子(9)、ジョン・スティッカン(9)、草薙幸二郎(10)、佳島 由季(10)、後藤  健(10)、人視比呂志(10)、南部 寅太(10)、大塚  博(11)(12)、刀原 章光(11)(12)、ナッセ・シンダ(11)、及川 順子(11)、黒沢 伸子(11)、横内  正(12)、梅野 泰靖(12)、林  昭夫(12)(13)、池田 武司(12)、篠原 大作(12)、赤坂 淑子(12)、平田  守(13)、エンゼル・プロ(1)(3)(4)(10)(11)(13)((1)は、エンゼルプロ、(11)(13)は、エンジェル・プロとそれぞれ表記)、若駒(13)、(協力:テアトル・ドウ・ポッシュ(1)-(13))(銃火器指導:トビー門口(1)(13)((13)は、トビー・門口、と表記))(擬闘((13)は「技闘」):国井 正広國井 正廣)(1)(13))(カー・スタント:三石 千尋(13))
主な脚本 山田 信夫(1)-(13)、渋谷 正行(6)(7)、黒土 三男(8)(10)-(13)
主なプロデューサ 鈴木 淳生
主な演出 井下 靖央(1)(2)(5)(6)(10)(13)、福田 新一(3)(4)(7)(8)(11)(12)、市川 哲夫(9)
原作 (「されど愛の日々に」(作:阿木慎太郎)(サンケイ出版)より)
局系列 JNN
制作会社 (製作著作:TBS)
制作 大山 勝美
音楽 安藤 正容安藤まさひろ)、(演奏:ザ・スクエア)(音響:鈴木 敏夫
撮影技術 (技術:安藤 健治)(カメラ:小南  朗)(映像:久徳 正弘)(照明:和田 洋一(1)-(11)、大場  俊(12)(13))(音声:大友 武士
美術 (デザイン:桜井 哲夫(1)-(6)(11)-(13)、山田  栄(7)-(10))(美術制作:丸谷 時茂(1)(2)(4)(6)(8)(10)(12)(13)、山田  守(3)(5)(7)(9)(11))(化粧:兵庫谷幸子

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