母を思い結婚に踏み切れない「行き遅れの娘」と、娘の幸せを願う母親。母ひとり娘ひとりの親子の情をユーモアたっぷりに描く。遊園地のアナウンス係をしている知子（泉ピン子）は、30代なかばというのにまだ独身。母の道子（赤木春恵）との２人暮らしだ。道子は、参列者を泣かせずにはおかないといわれる。結婚式場の名物司会者。いつまでたっても嫁に行く気配のない知子に「さっさと片付け」と尻をたたいている。そんな折、知子は職場の後輩のこずえ（岡江久美子）が婚約したことを知り、いよいよ取り残された、とあせりを感じる。だが、知子にも恋人がいないわけではなかった。こずえの紹介で知り合った孝司（目黒祐樹）がその相手。大阪への転勤の話がある孝司は、結婚して大阪にいっしょに行ってくれ、と切りだす。だが、知子は、道子ひとりを置いて結婚してしまうことを考え、返事をためらっていた。その直後、十数年前に愛人をつくり、家を飛びだした父親・喜正（植木等）が知子を訪ねてきた。愛人に死に別れていた喜正は、15歳の娘・瑞穂（小川範子）を抱え、ひとりで苦労していた。【以上、「ザテレビジョン」（角川書店刊）1988/10/14号より引用】