北原白秋と２番目の妻・章子の短くも充実した愛の日々を、谷崎潤一郎らとの交流を交えながら描く。1916年、白秋（奥田瑛二）は最初の妻と離別し、芸術的苦悩の中にいた。ある日、白秋は亭主と別れて上京したという女・章子（秋吉久美子）と出会う。故郷への思い、生い立ち、詩歌への情熱を語り明かすうち、二人は意気投合し、葛飾に居を構えた。その日の米にも困る生活の中で、二人は幸福な生活を営む。しかし、白秋の弟・鉄雄（大橋吾郎）は、歌集「雀の卵」の脱稿が遅いのにいらだち、章子が白秋をダメにすると言い出す。