高柳玲子（かたせ梨乃）は32歳。画家である老齢の父・峯夫（鈴木清順）と鎌倉に住んでいる。結婚紹介所で、この玲子を紹介された笹野（前田吟）は、わが目を疑った。とびきりの美人なのだ。婚前交渉もうまくいったので、200万円のダイヤの指輪をねだられたのもいたしかたない。香水づくりが仕事の笹野は、においに神経質なのがもとで離婚歴もある。玲子のほうは金が目あて。笹野から結婚話が出そうになると、ていよく交際を断った。指輪を処分した金は、100万円になった。紹介所での次なるお相手は、小山千吉（ケーシー高峰）といい、使用人２人の酒屋の主人。わんぱくな子供が２人もいるが、金はある。玲子は、この小山からミンクのコートをせしめた。これを処分した金は90万円だ。次なるお相手は、開業医の秋月俊介（高田純次）で、女ぐせが悪く離婚歴もある。玲子は、このキザ男から1000万円をちょうだいした。玲子の金集めは、父とパリへ行くため。が、最後の相手・麻生（本田博太郎）は詐欺師だった。【以上、「ザ・テレビジョン」（角川書店刊）1988/02/19号より引用】