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ドラマ 詳細データその木戸を通って

ひとりの侍がふとしたことから、記憶喪失症の女と結婚してしまうという大人の夢物語。「日本教育テレビのようなテレビ局が、野心的な企画を出すのは、よいことだ。五日の日曜からはじまった「ホリディ・イン・トーキョー」英語のプログラム名はなんとかならないか、とおもうが、しかし一時間ものの大ドラマをくむのは、文化をになう局のプロとして、みんなして、注目聴視する価値がある。第一回は、山本周五郎氏の『その木戸をとおって』である。尾上松緑、山田五十鈴の顔あわせでもあり、また、わたしが四十年前から大すきで拝見している柳永二郎さんの好演もあって、力のはいった番組になった。劇の内容は、イングリット・バーグマンのアナスターシャ以来、ばかにはやりはじめた「記憶喪失」ものである。しかし、このドラマでは、女主人公のふさ(山田五十鈴)は三年後に記憶が回復して、どこかへまた出ていってしまうので、むしろ、古典的な人格変換ものというべきかもしれぬ。わたしのような心理学者の立場からいうと、大へん面白い題材である。この劇のような筋は、十分なりたちうる、とおもう。ところで、そのできばえであるが、この方はどうか。全体としては、芝居の一幕物の感じが非常につよい。大うつしや、視覚と聴覚との対位(一方の人物がしゃべっているあいだに、他方の人物の表情をみせる)などもあり、また心的独白なども使っているので、まんざらの一幕物とはいえないが、この程度の手法は、このごろの芝居では拡声機を利用して、みんなやっているので、テレビ独自の手法を創出したとは、いいにくいのではないか。なによりもテンポが極端に遅いのが、大へん損をしているようにおもう。山田五十鈴の名演技をもってしても、あのテンポでは聴視者をひきつけておきにくいようだ。劇中夢遊病で、不気味なふんいきを出せたのが、せめてもの積極的功績であろうか。この次には、ビデオ・モンタージュをもっと活用したキビキビしたものをみせてもらいたい。【この項、文:波多野完治氏(お茶の水女子大教授(当時)(朝日新聞1959/07/09付「チャンネルゼロ」より引用)】」1959/12/06、日曜20:00~21:00、「NECサンデー劇場」にて再放送(再ドラマ化)された。
キー局 NET 放送曜日 放送期間 1959/07/05~1959/07/05
放送時間 20:00-21:00 放送回数 1 回 連続/単発 単発
番組名 ホリデー・イン・トーキョー(ホリデー・イン・トーキョウ)
主な出演 尾上 松緑2代目)、山田五十鈴柳 永二郎織田 政雄近松 良枝近松 麗江)、浅野進治郎早川香代子
主な脚本 千谷 道雄
主な演出 山本 隆則
原作 山本周五郎「その木戸を通って」
局系列 ANN

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