死をめざす少年と、それを防げなかった親のきびしくも悲しい苦悩を描いた問題作。丹英五（愛川欽也）は地味な純文学作家。妻の左枝子（樫山文枝）は高校の教諭だ。二人の間には、中学へ通う一粒種の光春（尾美としのり）という男の子がいた。その光春が、なぜ、自ら死を選んだのか、左枝子には今もって分からない。…あれは、光春が死ぬ三日前だ。その日は、左枝子の誕生日だった。光春は「プレゼント代わりに、ビートルズを親愛なるママに聞かせる」と言ってレコードをかけ、ヒトミを輝かせながら歌の素晴らしさを説明した。だが、このときすでに、光春は遺書とも言える詩を数多く書き残していたのだった。作家・高史明さんの子、岡真史さんが1975/07/17に自殺を遂げ、死後に出版された遺稿集「ぼくは12歳」をもとにドラマ化。【参考資料：書籍「ブラウン管の裏側から映像美術の世界」（1987/09/10、川上潔・著、青雲書房刊）、書籍「映像の先駆者125人の肖像」（2003/03/30発行、志賀信夫著、日本放送出版協会刊）、書籍「日本タレント名鑑'81」（1980/12/30、VIPタイムズ社発行）［大谷貴志の項］、書籍「劇団ひまわり30周年史」（1981/09/22発行、発行所：株式会社劇団ひまわり）】