出世のためには人殺しさえを引受ける男の悲劇を描いたサスペンス。異常な出世欲にとりつかれた宅間虎雄（川崎敬三９は、社長の千田（天王寺虎之助）と金融業者の滝川（殿山泰司）を殺すことを条件に取締役になった。そのうえ病気で倒れた千田に代わって社長となった花輪（小松方正）に、恋人のいる妹・良子（紅景子）をささげ副社長のイスを得ようとした。【以上、毎日新聞1973/06/08付より引用】追いつめられた者の異常心理を描いた内外の名作を描く『サスペンスシリーズ』（1973/04/06～1973/09/28、全25回）の中の一本。本作を含め、シリーズ10作目『殺人大百科　手作りの棺』まではMBSの自社制作で主として東京のスタジオでVTR収録されたが、視聴率的に不振だったことから残りの５作品は外部組織によりフィルム制作されたという。