超獣ベロクロンの襲撃で命を落とした二人の若者、北斗星司（高峰圭二）と南夕子（星光子）は、ウルトラマンAと合体し、復活。超獣攻撃隊TACに入隊する。二人はピンチに陥ると、指にはめたウルトラリングを一つに合わせ「ウルトラタッチ」のかけ声と共にウルトラマンAに変身する。【以上、朝日ソノラマ「'70年代特撮ヒーロー全集」より引用】。北斗と南の男女合体ヒーローによる特撮アクション。ただし28話で南は星の彼方へ消えて北斗のみの変身ものとなった。「『帰ってきたウルトラマン』放送終了一週間後に同じ放送枠でスタートした『空想特撮シリーズ』第５弾の本シリーズは、「変身ブーム」が発展して一つのピークとなったなかで登場した作品。前作とはまったく趣を変え、「男女合体変身」「超獣」という設定が考案された。前者は、２人の主人公、北斗星司と南夕子の勇気や優しさを融合した「性別を超越したヒーロー」という狙いのもとに生み出され、後者は、ウルトラシリーズ初となる邪悪なレギュラー・異次元人ヤプールが操る侵略兵器（宇宙生物と地球の動植物を合体して生み出したもの）として設定されている。さらに、ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャックといった「ウルトラ兄弟」登場イベントの取り入れや、歴代シリーズ随一の多彩な光線技も、作品を大いに盛り上げている。また変身シーンでは放映当初、北斗星司と南夕子が持つウルトラリングの光を合図に「ウルトラタッチ」の掛け声で変身を遂げていた。だが第28話以降は、北斗星司ひとりが２つのリングを使って単独変身するよう変更されている。この路線変更によって南夕子とヤプールは画面から姿を消したが、設定上では最後まで重要な位置を占めていた。深みある人間ドラマ、ファンタジー性、ウルトラ兄弟の共演に見られるイベント性、そして意欲的な特撮カットなどが「エース」の特徴であり、大きな魅力である。工業都市として栄える町に突如、超獣ベロクロンが出現。人々はその圧倒的戦力になすすべもなく逃げまわり、町は炎に包まれ、地球防衛軍も全滅してしまった。その攻撃の最中、パン屋の運転手である北斗星司は、ホーム（孤児院「聖エリザベスホーム」)の子供たちにパンを運んでいた。暴れるベロクロンに襲われながらも必死でホームに辿り着いた北斗は、そこで看護婦の南夕子に出会う。一方、ベロクロンの攻撃は収まらず、ついにホームの建物へ向かってきた。北斗と夕子は子供や病人たちを助けるため敢然と立ち向かうが、２人とも力尽きてしまう…。やがて空に５つの星が流れると、星たちは合体し、北斗と夕子が横たわる上で立ち止まった。そして眩い光で２人を包み込むと、５人のウルトラ戦士が現れた。北斗と夕子の正義感に心打たれた５番目の戦士ウルトラマンAは、ウルトラリングを２人に授け、奇跡の力で蘇らせる。こうして大いなる力を得た北斗と夕子は、地球の平和を守るためTACに入隊し、ウルトラマンAとして超獣と戦う運命を背負ったのだった。【この項、ファミリー劇場広報資料より引用】」川北紘一の特撮監督デビュー作。当初、南夕子役には別の役者が予定されていたが事故のため急遽代役に星光子が決まった。【各回サブタイトル】（特記のない限り各漢字にはルビが付されている）。第２回「大超獣を越えてゆけ！」、第４回「３億年超獣出現！（怪魚超獣ガラン登場）」、第５回「大蟻超獣対ウルトラ兄弟（大蟻超獣アリブンタ登場）」、第６回「変身超獣の謎を追え！」、第７回「怪獣対超獣対宇宙人（超獣・ドラゴリー メトロン星人Jr 怪獣・ムルチ登場）」、第８回「太陽の命　エースの命（超獣・ドラゴリー メロン星人Jr 怪獣・ムルチ 登場）」、第９回「超獣10万匹！奇襲計画（忍者超獣 ガマス 登場」、第10回「決戦！エース対郷秀樹（犀超獣ザイゴン アンチラ星人 登場」、第19回「河童屋敷の謎（河童超獣キングカッパー登場）」、第20回「青春の星 ふたりの星（大蝉超獣ゼミストラー登場）」、第22回「復讐鬼ヤプール」、第23回「逆転！ゾフィ只今参上（超次元超人ヤプール登場）」、第24回「見よ！真夜中の大変身（異次元人 マザロン　地獄超獣 マザリュース　登場）」、第25回「ピラミットは超獣の巣だ！」、第27回「奇跡！ウルトラの父（ウルトラの父 ウルトラ５兄弟 ヒッポリト星人 登場）」、第28回「さようなら夕子よ、月の妹よ（満月超獣ルナチクス登場）」、第31回「セブンからエースの手に」、第37回「友情の星よ 永遠に（鈍足超獣マッハレス出現）」、第38回「復活！ウルトラの父（カタカナのルビが使用されている）（雪超獣スノーギラン登場）」、第42回「冬の怪奇シリーズ! 神秘!怪獣ウーの復活」、第45回「大ピンチ！エースを救え！（ガス超獣 ガスゲゴン 登場）」、第46回「タイムマシンを乗り越えろ！（タイム超獣 ダイダラホーシ 登場）」。協力：沼津三津浜 フローティング・ホテル スカンジナビア(20)、沼津マリーナ(20)、箱根強羅温泉(28)。【役名（演技者）】北斗星司（高峰圭二）、南 夕子（星光子）、竜隊長（瑳川哲朗）、TAC隊員・山中一郎（沖田駿一）、TAC隊員・今野勉（山本正明）、TAC隊員・美川のり子（西恵子）、TAC隊員・吉村公三（佐野光洋）、ウルトラマンＡ（武内正治）、超獣（河合徹、図師勲）。【参考文献：「特撮の匠」取材班編「特撮の匠」（2017/05/27初版、宝島社刊）】