芸術祭参加作品。「Rhマイナス因子の血液を持つ孫と、その祖父の自由労務者のがんこな男の愛情と、そのがんこな男が人間のつながりに目ざめてゆくまでを描く。尾上松緑が初めて芸術祭ドラマに出演する。妻に逃げられ、ひとり娘にも家出された村本善介（尾上松緑）はがんこで偏屈な男として、孤独な生活を送っている。ただひとつの心のよりどころとなるのは孫の五歳になる千恵（白川ひかる）だった。ところが、ある日千恵が倒れた。なかなか医者を呼ぼうとしなかった善介も心配になったので大滝医師（中谷一郎）の診断を仰いだ。Rhマイナスという宿命の血を持っていることがわかり、心臓病で手術をするにも輸血する人間がめったにいないのだ。血を運ぶシーンでは自衛隊のヘリコプターや、日赤輸血研究所の緊急自動車を動員した。【この項、読売新聞1963/10/26付より引用】」一部資料では、演出：森川時久と記載されている。協力：東京都衛生局、防衛庁、日本赤十字社中央血液銀行、東京女子医大。【役名（演技者）】村本善介（尾上松緑）、千恵（白川ひかる）、河畑教授（三津田健）、小沢医師（金内吉男）、大滝内科医（中谷一郎）。