小さな海辺の理髪店を舞台に、老店主（柄本明）と若者（藤原季節）の１時間あまりの静かで熱い出会いを描く、人生の不思議さと人間の優しさが心に染みる感動の物語。海辺の小さな理髪店に若者（藤原季節）が訪れた。老店主（柄本明）は嬉しそうに調髪に取り掛かり、問わず語りに自らの人生を話し始める。家業の床屋を１０才から手伝い、初めての仕事は兵隊に行く常連客の丸刈り、順調だった店が傾き酒におぼれ、妻に暴力をふるって離婚されたこと……。そして店主は突然、「人を殺めたことがある」と告白をする。なぜ、若者はこの理髪店を訪れたのか？　なぜ、老店主は自らの人生を語るのか？【以上、NHK番組広報資料より引用】「『海の見える理髪店』（ＮＨＫ、荻原浩原作）は、海辺の理髪店を舞台に、そこにやってきたお客の若者と老いた理髪店主との間のつかの間の出会いを描いた。単発ドラマでの安達奈緒子脚本の魅力は『宮崎のふたり』（‘16）ですでに実証済みだが、短編であるのに、そこに過去の長い時間の経過を盛り込むことで、ずいぶん奥行きを感じさせる仕上がりとなっている。素朴な小品なのに、深みを感じさせてくれる。【この項、文：古崎康成（月刊「ドラマ」（映人社刊）2022年８月号より引用）】」