前島皐月（杉咲花）はガーデンデザイナーの森下陸と知り合う。二人で出かけた森で、自然体の陸に惹かれていく皐月だったが、距離を縮めていく二人の前に現れたのは…。●第１回…都内の園芸店でバイトする前島皐月（杉咲花）。声優を目指すがあきらめかけていた。何をしても本気になれない。恋も同じだった。しかしある時、ガーデンデザイナーとして活躍する森下陸（藤原季節）と知り合う。皐月の作るテラリウムが、陸の目に留まったのだ。ガラスの中に閉じ込めた小さな世界が二人を近づけていく。二人出かけた森で、皐月は自然体の陸に惹かれていく。そして、立ち寄ったカフェで偶然出会ったのは……。【以上、NHK番組広報資料より引用】「『プリズム』（ＮＨＫ、浅野妙子原作・作、久世襄子・ねじめ彩木脚本）は、ガーデニング業界に足を踏み入れたとロインがそこで男性と出会って紆余曲折を経て成長していくお話。形になりにくい繊細な心の動きを丁寧に映し出し一歩進んだ深みのある一編となった。少し惜しまれたのはそういう人間の心の内面を描こうとしているのに、登場人物が発する台詞はすべてその人物の本心を表現しているとする通常の平易なドラマでの表現方法を踏襲していたところであろうか。人間は時として心の中に思っていることと裏腹のことも口にすることがあるものだ。しかし、だからといって通常のドラマで心と裏腹の台詞を実践すると、分かりにくいドラマになってしまうものだが、このドラマではむしろその描き方こそが心理描写としても説得力を持ちえた気がする。登場人物の関係がなかなか前に進まなかった一因がここにありそうで、第８回で一気に言葉をまき散らす形をとることにつながった。この第８回での延々とした台詞の応酬場面はその長回し演出を評価する向きもあるが、役者のセリフもこなれておらず必ずしも成功しているとはいえない。ただ、ぎりぎりのところまで登場人物の心の葛藤を煮詰めていったところに作り手の気迫を感じさせられたのも確かで新境地を感じさせるものがあった。【この項、文：古崎康成（「月刊「ドラマ」」（映人社刊）2022年11月号より引用）】」【その他のクレジット表示】撮影協力：千葉市(1)、花の美術館(1)、さがみはらフィルムコミッション(1)。【役名（演技者）】前島皐月（杉咲花）、森下 陸（藤原季節）、白石悠磨（森山未來）、前島梨沙子（若村麻由美）、荒木 剛（寛一郎）、野木綾花（石井杏奈）、水川信爾（岡田義徳）、奥寺耕太郎（吉田栄作）、庭師（一本気伸吾）、店長（梅舟惟永）、木島誠一（花戸祐介）、三村将史（伊原侑藏）、野口純也（宮下修司）、長崎ひとみ（高畑こと美）、飯田サオリ（蔵下穂波）、佐々木美絵（藤丸千）、根本歩美（畑山歌奈子）。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成(1)）】【参考資料：NHK番組広報資料（https://www.nhk.jp/g/blog/h86hy_f_iqb/）】