“愛をなくした”絞り染め作家の女､30歳。美しい獣医師の男､43歳。愛、お金、地位…すべてを手に入れた野心家の女､60歳。一人の美しい男をめぐる、年齢の差を超えた女の戦い。岐阜県の山あいの小さな町で、愛に傷つき、愛をなくした一人の女が、もう一度“人を愛おしく思う気持ち”に目覚め、本気で人を愛し、幸せをつかんでいく―――。愛人を作った父に捨てられ、母を病気で亡くし、そして恋人にも裏切られ「愛をなくした」女、小夏（田中麗奈）。そんな小夏にとって伝統工芸の「有松絞り」は唯一の生きがいだった。小夏は有松絞りの師匠に弟子入りするため、岐阜県の山あいにある工房にやってくる。師匠の怜子（秋吉久美子）は絞り染め作家として成功しているだけでなく、幅広くビジネスを展開し地域の財界にも顔が利く野心家だった。怜子は弟子入りの条件として、持て余していた犬の世話を押し付ける。この犬は、かつて人間に捨てられた保護犬だった。犬の世話を通じて、小夏は獣医師の光太郎（吉田栄作）と知りあう。ぶっきらぼうだが動物への深い愛情を持つ光太郎は、実は怜子と深い男女関係にあった。小夏の弟子入りは怜子と光太郎の関係に少しずつ影響を及ぼし始める。怜子は小夏に脅威を感じ、厳しい試練を与える一方で、その光る才能を自分の名声に利用しようとする。一方、この町で小夏は家族を捨てて出て行った父、辰造（小林稔侍）と思いがけず再会する。辰造は美容院を営む愛人の紙音（南果歩）と暮らしていたのだ。小夏は動揺し激しく拒絶するが、辰造は娘との絆を取り戻そうとつきまとう――。こうした中、犬との関わりを通じて小夏と光太郎は少しずつ惹かれあい、やがて小夏は絞り染め作家として、女として、師匠の怜子と激しく争うようになる。男女の揺れ動く人間模様と親子の葛藤の中で、小夏は一人の大人として成長し、人を愛おしく思う気持ちに目覚めていく。【以上、NHK広報資料より引用】各回のサブタイトルは以下のとおり。第１回「めぐりあい」、第２回「逢いたくて」、第３回「抱きしめて」、第４回「満月の願い」、第５回「二人の決意」。【役名（演技者）】あやか（廣瀬菜都美）。