動乱の戦国時代もようやく終末に近づき、天下は織田信長の手中に落ちつつあった。遠州浜松の城主・徳川家康（尾上松緑）は、信長の先鋒として功績をおさめていた。その子・岡崎三郎信康（中村万之助）は、家康の誇りであったが、信康の心中には深い苦悩が秘められていた。後の母・築山殿（杉村春子）は信長にほろぼされた今川義元の娘であり、信長の娘として威光をふるう信康の妻・徳姫（岩本多代）とことごとに衝突していたからだ。そして破局がやってきた。築山殿が織田の当面の敵・武田勝頼と通じていると知った徳姫が、それを信長に知らせた。信長は家康に信康と築山殿の処分を命じた。直情径行の青年武将・信康が破滅の道をたどる乱世の悲劇。【以上、読売新聞1963/08/26付より引用】「「演劇界増刊　中村吉右衛門」（1966年9月10日発行）の90pで、襲名したての２代目中村吉右衛門さんがインタビューで主なTV出演を聞かれて印象に残った作品に「築山殿始末」（NET）をあげていました。【この項、文：播磨屋ファン】」【役名（演技者）】家康（尾上松緑）、築山殿（杉村春子）、信康（中村万之助）、徳姫（岩本多代）、服部半蔵（坂東鶴之助）。【データ協力：播磨屋ファン】【参考資料：記事「「忍者・服部半蔵」の誕生－昭和三九年までの作品を対象に」（著者：田村梨紗、書籍「忍者研究・３号」（発行：国際忍者学会、2020/08発行）掲載）】