柳原明日香（泉ピン子）は、衣類の整理中に亡き夫のズボンから「みやけ」と書かれた店のマッチを見つけた。後日、その居酒屋を訪ねた明日香が店主の三宅泰介（梅沢富美男）にマッチを見せると、それは15年前の開店当時のモノだと言う。店主の三宅は、ふた回り以上も年の離れた妻をめとり、子どもが生まれたばかり。還暦を前に幸せの絶頂を迎えていた。すると、三宅とのやり取りを聞いていた客・福住喜一（本田博太郎）が亡き夫の話に加わろうと絡んで来たが、明日香は相手にしなかった。実は、福住は2年前に定年退職した元世田谷西署の刑事で、明日香の夫とも交流があった人物。その福住が他殺体となって発見されたことで明日香もそのことを知り、警察は「弔い合戦」と全力で捜査に取り組むことになる。時を同じくして、明日香の夫が出所するたびに面倒を見ていた「ノビ師」（※注）の大根太郎（竹本純平）が殺害される事件が起こった。大根は15年前に資産家宅で起こった2千万円強盗殺人の犯人として疑われ、別件逮捕され取調べを受けていたが、アリバイがあったため釈放され、事件は迷宮入りとなっていた。鑑識の田辺（ベンガル）の話では、当時、明日香の夫・柳原警部と所轄の福住警部補の二人だけが大根真犯人説を主張していたが、上司には受け入れてもらえなかったと言う。疑問を感じた明日香は、亡き夫が残した捜査ノートを紐解き、水面下で再捜査を開始する。一方、爽子（菊川怜）は警察に寄せられた匿名の電話から、強姦被害にあったことがわかった少女・内海ゆりな（永井もも）に被害届を出すよう説得していた。多感な年頃の少女は、事件を表沙汰にされたくないために被害届を出さないケースが多く、親告罪の強姦事件は犯人の目星がついていたとしても捜査すら出来ない現状がある。しかし、被害者の一人、奥村雛子（川本まゆ）が警察に相談に来たことから事態は急転、強姦魔・新出貢（渡邉紘平）が逮捕された。容疑を否認したうえ冤罪だとうそぶく新出だが、根強い取調べに被害者の写真を撮ったと証言。証拠となる画像を記録したSDカードを押さえようと自宅に乗り込むのだが、既に盗難されていた。盗難の手口は鮮やかで、警察は名うての「ノビ師」によるものと睨んでいた。15年前の事件を追う明日香と、少女を救いたい一心で突き進む爽子。その２人の過去と、２つの事件が意外な点と線で絡み合い、被害者と加害者それぞれに縺れた人生の糸が謎と共に解けていくのだが…。果たして犯人は？　そして決め手となる証拠を押さえることが出来るのか？（※注）「ノビ師」とは、警察用語。昼間人のいないところに入るのが「空き巣」で、人が寝静まったころに偲び込むのが「ノビ師」と言われている。出典は明らかではない。【以上、TBS広報資料より引用】撮影協力：居酒屋七兵衛、有明教育芸術短期大学、もんじゃはざま、岩崎ネジ製作所、ニューベリー、スパイラルマリーン、荒川区立荒川遊園、トラットリアトラムロカーレ、東京都交通局、北区立中央公園文化センター、CABLICIOUS。協力：WING-T、ビデオフォーカス、アイ・ディー・エー、ブルーフラッグ、マエダオート、東京コスチューム、ヘアーベル。【役名（演技者）】蔵前西署刑事課警部補・柳原明日香（泉ピン子）、警視庁捜査一課心理捜査官巡査部長・吉村爽子（菊川怜）、居酒屋「三宅」店主・三宅泰介（梅沢富美男）、元世田谷西署刑事課・福住喜一（本田博太郎）、警視庁捜査一課強行犯係長・警部・大貫裕也（佐藤Ｂ作）、警視庁鑑識課警部・田辺博道（ベンガル）、蔵前西署刑事課巡査・藤島直人（佐野泰臣）、蔵前西署長・笠井信二（剛たつひと）、ノビ師・大根太郎（竹本純平）、内海ゆりな（永井もも）、奥村雛子（川本まゆ）、強姦魔・新出貢（渡邉紘平）、三宅の妻・三宅襟子（一戸奈美）。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】