プロデューサーの石井ふく子氏は後年、本作の記憶を記している。「三浦哲郎さん原作の『忍ぶ川』では、橇（そり）が重要なカギを握っていた。山道を、馬が主人公を乗せた橇を曳きながら走る場面が多くあった。ところがロケ現場で、その馬が崖から落ちてしまったのである。いや、正確には、馬は下までは落ちきらず、どうにか踏ん張って、橇も、慌てて崖を駆け下りたスタッフが支えたために壊れることもなく、乗っていた役者さんも軽いケガ程度で済んだ。かわいそうに、それでも馬は骨折していたが、「災い転じて……」の経験も不思議なほど多かったものである。【この項、文：石井ふく子氏（石井ふく子著「お蔭さまで」（1993/06/20、世界文化社刊）より引用）】」【データ協力：のよりん】【参考文献：石井ふく子著「お蔭さまで」（1993/06/20、世界文化社刊）】