結婚５年、まだ子どものない共かせぎ夫婦立岡隆介と奈津子は、ともにジャーナリストである。夫の隆介は毎朝新聞の整理部勤務、妻の奈津子は週刊毎朝の記者。じみで目立たない下積み勤務の隆介にひきかえ、奈津子は一流雑誌記者としてハデに活躍している。隆介は奈津子が普通の主婦であってほしいとかねがね思っていたが、奈津子はやめる気がない。しかし、隆介は奈津子が仕事を家にまで持ち込み、夫婦生活をほったらかし気味でいることに内心たえられなくなっていた。ある日、朝早く雑誌社から奈津子に電話がかかり、記事を至急差しかえることになった。その晩、例の通り仕事を家に持ち帰った奈津子のぐちから、隆介のいままでの不満が爆発した。【以上、読売新聞1964/01/13付より引用】