奈良の風景に《万葉集》を織り込んだ、一般からの公募より選んだ三編を放映するオムニバスドラマシリーズの第三弾。奈良公園で出会った可愛い花屋の店員・あすか（森恵梨佳）に恋をした若い墨職人・純一（木咲直人）を描く第一話「恋はももいろ」、筆職人・梅咲幸生（海部剛史）が亡き妻・千景（久野麻子）が家中のいたるところに残した小さな和紙に書かれたメッセージを千枚探し出す第二話「愛しき、古〔うつくしき、いにしえ〕」、庭師・野坂篤（石倉三郎）の昔からの憧れである仕事先の婦人・小川優子（朝比奈潔子）がカナダへ移住すると知り、勇気を出して思いを告げる第三話「春日影の庭」の三話から成っています。第三話での主人公の助手である息子に扮しているのは井之上チャルさん、婦人の孫娘に扮しているのは、NHK大阪局制作の朝の連続テレビ小説などでも知られる西本利久さん。【以上、文・市村】「奈良を彩る景色を背景に《万葉集》のラブロマンスを現代によみがえらせた切ないラブストーリードラマ～春編～。およそ1300年前に作られた《万葉集》は、現代にも通じる男女の思いが詠まれている。そんな《万葉集》と奈良の春を題材に、全国から募集したオリジナル脚本654件から選ばれた三編をドラマとして制作。奈良を代表する花の風景である吉野の桜や月ヶ瀬の梅林を背景に、「墨」や「筆」といった奈良の伝統芸に取り組む主人公達が織りなす、切なくもハートウォーミングなドラマとなっている。映画やドラマで活躍する俳優陣に加え、地元のエキストラの方々が出演。また今回は、ドラマに登場する「家」やロケ地も公募し撮影を行った。魅力あふれる古都奈良と《万葉集》に込められた恋愛ドラマをお楽しみいただく。〔第一話〕「恋はももいろ」…奈良墨の職人、純一はフラワーショップに勤めるあすかと奈良公園で知り合う。純一は墨の師から教わった万葉集の歌「春の苑紅におう桃の花　したでる道に出で立つ乙女」にあすかを重ね合わせる。そして自分と同じ荒れた手で働くあすかに惹かれていき、あるプレゼントをしようとフラワーショップを訪れるのだが…。〔第二話〕「愛しき、古（うつくしき、いにしえ）」…仕事一筋の筆職人梅咲幸夫と梅と万葉集が好きなしっかり者の妻千景。しかし千景は病に倒れ亡くなってしまう。初七日の前夜、幸夫は千景が残した小さな和紙を見つける。千景は万葉集にちなんだ千枚の言葉「千葉集」を家のあちこちに残していた…。〔第三話〕「春日影の庭」…庭師の野坂篤は早くに妻を亡くしたが、跡継ぎ息子の啓太と庭から庭へ走り回る元気いっぱいの日々を送っている。まだまだ若いつもりでいる篤の楽しみは昔から憧れている小川優子の家で庭木の手入れをすること。そんなある日、優子は息子の転勤のためカナダへ行ってしまうことに。気落ちする篤は、それでも元気に旅立って欲しいと万葉集から今の気持ちを込めた一首を優子に贈る…。【この項、NHK広報資料より引用】」撮影協力・春日大社、氷室神社、興福寺、新薬師寺、慶田寺、桃尾山大親寺、古梅園、花忠、奈良公園管理事務所、奈良の鹿愛護会、うちのの館藤岡家住宅、今井町町並み保存会、月ヶ瀬観光会館、吉野山保勝会、椿井小学校、芝田造園、森岡祥章観光果樹園、橋本市、猪熊兼勝、田川欽造、富岡秀清、中村倫子、中森将雄、椋本敏雄、若林稔、若林昭子。【演技者…役名】「「第一話「恋はももいろ」木咲直人…純一（奈良墨工房の職人）、森恵梨佳…あすか（純一が奈良公園で出会う花屋「花まんよう」の店員）、うだしげき…藤原（純一の先輩である墨職人）、小倉結輝…あすかの兄、大竹玄峰…禅寺方丈（純一の作った墨を納める住職）。第二話「愛しき、古」海部剛史…梅咲幸生〔サチオ〕（筆を売る店の主人）、久野麻子…梅咲千景（二ヶ月前に亡くなった幸夫の妻）、原尚子…美智子（幸夫の妹）、多田実喜…香織（幸夫の妹）、※うだしげき…藤原（梅咲の店に墨を納めに来た墨職人）。第三話「春日影の庭」石倉三郎…野坂篤（野坂造園の主人）、朝比奈潔子…小川優子（得意先の婦人）、井之上チャル…野坂啓太（野坂の息子）、西本利久…小川かりん（優子の孫娘）、※…優子の息子夫婦。【この項、文・市村】」【データ協力・市村】