69年から続く理由は、結末がわかっているのに見てしまう、これ以上ないマンネリに魅力があるから。月曜８時の「ナショナル劇場」50周年を記念した特別版だ。黄門様ご一行の今回の旅は江戸から甲府へ。ご老公（里見浩太朗）の元に新井白石（勝呂誉）から密使・茜（酒井美紀）が送られた。５代将軍綱吉（堤大二郎）の甥で甲府藩主の綱豊（岡本竜沙）が何者かに狙撃されたというのだ。ご老公は、甲府にはびこる悪を懲らしめるため、綱豊らと旅に出る。助さん（原田龍二）、格さん（合田雅吏）ももちろん一緒だ。庶民の暮らしに触れながら、道中でも小さな事件を次々と解決していく。悪役にベテランがそろい、初登場で敵とわかるその怪演が楽しい。２時間とあって印籠を見せるシーンが何度もあるが、格さんに２度は出させないところがにくい演出。由美かおるの入浴シーンも不変だ。【以上、文：中村真理子（朝日新聞2005/03/13付より引用）】協力：水府明徳会、京都・大覚寺、小田原城址公園、湯の花温泉　すみや亀峰庵、箱根神社。【出典：ドラマ本体のクレジット表示より採録（採録：古崎康成）】